なじめない「ほうとう」

2020-11-27 10:00:20 | あじ
山梨を代表する食べ物が『ほうとう』。麺の形状は名古屋名物のきしめんと似ているが、硬さがまるで違う。がっちりと厚地でツルツル飲み込むようなものではない。

ところが、・・

実は、あまり好きじゃない。きしめんもあまり好きではないが、それ以上ほうとうは好きじゃない。もっとも、会食の前に「何か嫌いなものありませんか」と聞かれても、「ほうとう」とか「きしめん」とか答えることはない。会食でそういうものを食べるはずないと思っているからだ。



そして、山梨に行った時に、「本場では、他の地方とは全く異なる味なのではないか」と思い立ち、人生最後のトライということで有名ほうとう店に行く。驚くことに離れた席ではスーツ姿の人たちがテーブルを囲んで「ほうとう」を食べていた。山梨ではビジネスランチとして「ほうとう」を食べる様だ。



メニューは、ベーシックな『かぼちゃほうとう』の他、「豚肉ほうとう」に始まり、「猪肉ほうとう」や「熊肉ほうとう」や「すっぽんほうとう」などもあって、一応、多彩と言える。ベーシックな『かぼちゃほうとう』を注文し、しばし待つと、洗面器のような大きさの「かぼちゃほうとう」が到着したが、なぜかカボチャの姿が見えない。



きっとカボチャをすりおろしてスープに溶かし込んだのだろう、と思い小さな取り椀に少しずつ太い麺を移しで、フーフー言いながら食べていると、底の方に沈んでいた大きなカボチャが現れた。海面すれすれの水面下で軽率船長の船を座礁させるべく狙っている暗礁のような感じだ。太い麺を食べるのに難儀をしていたのに、カボチャが発掘されたことで、完食困難の危機に陥る。

味の方は、結局は今まで舌が覚えていた味との差は、ほとんどないと思う。