那智大滝、熊野那智大社

2020-11-10 00:00:01 | たび
熊野三山の一つが、熊野那智大社。紀伊半島の南東部にあり、熊野本宮大社ほど到着難易度は高くないが、それでも山の中を歩く。三山の全てを回るとなると一筆書きのようなことになり、どこかで頑張らないといけない。

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その苦労の慰めともなるのが、那智大滝である。日本最大の落下差130mを誇る。那智大社に登る古道である「大門坂」からも見える。さらに遠くは熊野灘の海上からも一望できるそうだ。思えば、終戦前まで東京の人が中国大陸に向かうには、横浜港から神戸港へ向かい、それから瀬戸内海を通過して東シナ海に抜けたはず。駿河湾で富士山を見て、熊野灘で那智大滝を見るということだったのだろう(もちろん、今でも同じでクルーズ船を探せば、「富士山+那智大滝」はあるだろう。)。

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華厳の滝は、ある意味、東武電車の特急に乗ってウトウトしていれば行けるのだが、那智大滝は関東人からすれば簡単には行けない。さらに滝を見るなら那智大社にもいかなければならないし、そうなれば三山めぐりもしないと罪悪感が湧いてくる。山道に雨でも降れば、足元はツルツルで転べば大けが足を滑らせれば100mの滑落ということになる。

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さて、日本三大名瀑という言葉がある。なぜか三大〇〇というのが日本人好みだ。ところが、今のところ、日光華厳の滝と那智大滝の二つが双璧で、三つ目は定着していないようだ。

本ブログを書くにあたって、三つ目の名瀑はどこかというのをネット上で探してみた。候補は数十あるようだ。もちろん画像がないと評価できないが、偶然の一枚のようなショットでは判断つかないので、かなり時間がかかったのだが、鳥取県琴浦町にある『千丈滝』というのが、素晴らしいのではないだろうか。大山の中腹のような場所で、簡単にはいけないが、秘境というほどではない。落差100mの雄滝と90mの雌滝がセットになっているそうで、普段は水量が少なく、玄武岩のような色の滝の地肌が見えていて、いざ増水した時には滝の持つ本来の荒々しさが現れるようである。小さな問題だが、同じ鳥取県の鳥取市には80mの同名の『千丈滝』があるそうで、紛らわしい。琴浦町の方は改名して全国版に名乗りを上げてもいいのではないだろうか。『スリーピングドラゴン・竜眠大滝』。もっとも増水時には危険で近づけないということかもしれない。