猟奇的な彼女(2001年 映画)

2016-11-02 00:00:35 | 映画・演劇・Video
韓国で現在進行形の政治コメディが「大統領を操る女、チェ・スンシル」事件。有名女子大に娘を裏口入学については、日本的にいえば巧妙に仕組まれたセーフ案件だと思うが、財団をトンネルにして私財蓄財も、うまくやっているのだろうし、大統領の政治的指南役というのも、大統領が本気で相談できる人間が他にいない、ということだろうし、まあ、相談したい気持ちもわからなくもない。

なんとなく、最近、韓国で登場する怖い女性たちのことを考えると、それでは「猟奇的な彼女(2001年)を観なければ」と思い立つ。

ryokiteki


もともと、実話なのか虚話なのかよくわからない(電車男風)ネット小説を映画化し、韓国国内でメガヒットした恋愛作品で、感想としては、韓国であるということを超越して普遍的な若者の心理を追求したすばらしい映画だと思う(シナリオにヒネリが少ないが)。最後の締めの部分は、小説にはない部分で、ハッピーエンドに向かうストーリーが人々の好みそうな作りになっている。

猟奇的というコトバは韓国語から日本語に翻訳するときに苦労した結果の苦心作で、近いのは「大阪のおばさん(けったい)」という感じだろうが、それとも違うようだ(大阪のおばさん的な彼女)。日本で猟奇というと、包丁でバラバラという感じだが、そっち方向にはいかない。どっちかというとゲロゲロかも。

主演は、チョン・ジヒョンで、去年「暗殺」という反日映画の主演女優で史上空前の動員数を得ている。助演男優はチャ・テヒョン。二人の重要度比率は9:1か8:2ぐらい。続編の「猟奇的な彼女2」は女優が代わり男優はそのままで、赤字の山となった。

本作の中に登場する文学作品が1953年に発表された黄順元作「夕立」。韓国の教科書にも掲載され、知らぬ人はいないような名作で、「これを読めば、○○でも韓国人のことがわかる」というほどだそうだが、少し調べると日本語訳がないことがわかった。韓国語で書かれた絵本が入手可能だそうで、お手上げなのだが、韓国語での原文を入手したので、翻訳ソフトを使ってみようと思っている。日本語と韓国語はかなり近い翻訳ができるらしい。

パッヘルベルのカノンが何回か流れるのだが、有名すぎるメロディにつき、さまざまな編曲があるそうで、現在調査中。

そして、韓国のコメディについてだが、彼女たちのことを叩くのは簡単だが、日本とは異なる種類の男尊女卑社会の中で、一流になるためには、思い切って猟奇的に戦わなければならないのだろうと思うし、許してあげたい気持ちになる。

一方、世界一怒りっぽい国の座を南北で争うのはいいのだが、巻き添え被害国にはなりたくないな。