宇野千代生家(岩国)へ

2016-11-15 00:00:49 | たび
広島から山口に入るとすぐに岩国だ。山口は東西に長い県で、岩国は中心ではないが、いわゆる城下町的でもある。そこに生まれたのが宇野千代である。父親は庄屋の息子で長男ではないため、基本的に遊んで暮らしていた。JRの川西という大変にローカルな駅から5分くらい細い道を歩くと到着する。

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ところで宇野千代は、いわゆる悪女である。次々と男を変え、結婚だけでも3回、その他東郷青児とは同棲。そしてそのうち、全員が亡くなっていき、最後は98歳で亡くなる。同時代の悪女は、瀬戸内寂聴、林芙美子だろうが、現実の悪女ぶりは宇野千代が一番だろう。基本的には、岩国以外ではあまり好まれていないのかもしれない。

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先日「残っている話」を読んだときに、生家の話が書かれていて、それで訪れたのだが、庭は手入れがよく、生家の管理をされている方も話好きで先生のご愛用の椅子にも腰かけさせていただいた。

ほとんどの作品は南青山の自宅で行っていたはずなのだが、生家でも書いていたようだ。

「欠点は、直すのではなく、利用する」というのが先生の口癖だったそうだが、普通の世界ではなかなかそうではないだろう。私は欠点だらけの人間なので、そのすべてが宝の山みたいなものと言えるのだろうか。よくわからないが、真に受けると危険な格言のような気もする。