シェルの発祥は横浜

2016-08-25 00:00:00 | 歴史
ロイヤル・ダッジ・シェルといえば世界中で石油事業を手掛けていて、海外旅行に行くと普通の国では、シェルとエクソンモービルとBPの三社と現地資本の石油会社が一つあるということが多い。

実はシェルという会社の起源は、日本にある。1876年に横浜に設立されたマーカス・サミュエル商店。ロンドンで商店主だったサミュエル家のマーカス青年が、アジア旅行に出て、ついにたどり着いたのが横浜だった。もともと放浪的民族出身だったので、居住地にこだわらない性格だったのだろう。それに横浜より先は、アジアではなくアメリカなのだが、ポケットにはもうお金は残っていなかったようだ。

そして、はじめたのが海岸に行けば無尽蔵にある貝殻をあつめて、工芸品やボタンの素材用にロンドンに送る商売。これが当たったわけだ。現在の貝殻(ホタテ)マークにつながっている。

そして、日本の近代化のために石油(燈油)の輸入をはじめる。当初はロシアからであったが、そのうちにインドネシアからの輸入を始めるのだが、実際、日本で売るよりも欧州に運んだ方が儲かることに気付く。そして今や世界中の海を走る「タンカー」という種類の専用船を発明する。それまでは樽や缶に詰めて貨物船に積んでいたのだから一挙に効率が上がる。

ところが世界的には米国国内で油田が発見されると、スタンダード石油(現エクソンモービル)の力が増大し、世界中の石油会社が圧迫されはじめ、合併ブームとなる。その結果、ロスチャイルド家から油田事業を買ったり、オランダ系の会社と合併したりしている。


しかし、現在の日本では次々に外資系石油会社が国外に退去しているという奇妙な構図になっているのだが、日本凋落の気配ということなのだろうが、少し寂しい。