226事件の慰霊の地

2016-08-16 00:00:30 | 歴史
東京在住の人なら知っているのだろうか。渋谷周辺を歩いていると、不意に226事件慰霊像と遭遇した。なぜ渋谷に226事件関係の像があるのだろうか。

226


その側にある碑文を読むと、事件で亡くなった方と首謀者と軍法会議で認定され銃殺された将校他を慰霊するために仏心会が設置したということが書かれていた。

詳しくは、調べることにした。

その前に、226事件そのもののことだが、昭和11年2月26日、陸軍皇道派の青年将校が自分たちの主張に近い真崎陸軍大将を担ぎ、統制派の軍人を殺害し軍事政権を目指したクーデターである。先日トルコでクーデターが失敗し、関係者を大量逮捕しカウンタークーデター状態だが、226事件に非常に似ている。

背後には天皇の弟や前述の陸軍大将がいるのではないかとの説もあり、結局、軍法会議の結果、民間人北一輝を首謀者と認定し、判決が7月5日に言い渡されるや、わずか1週間後に15人が銃殺された。今でも真相がわからない部分が多い。

その銃殺された場所は、刑務所なのだが、刑務所が渋谷にあったわけだ。現在は法務局と税務署がその場所にある。

実は、銃殺そのものもかなり残酷な方法で、なかなかとどめが刺せないわけで、一人に対して至近距離で何度も何度も撃っていたそうだ。銃声が市民の耳に違和感を与えないために当日は隣接する練兵場で一日中射撃訓練が行われていた。

そして、首謀者とされた者は反逆者ということになり、出身地に遺骨を埋めようにも、各地の墓地管理者が刑死者の埋葬を拒絶するという事態が起きていた。

首謀者とされた一人、栗原安秀の父である愛国主義者栗原勇が奔走し、遺骨の受入寺を探し、そして渋谷に慰霊像を建てたといわれている。