おろしや国酔夢譚(1992年 映画)

2016-08-18 00:00:46 | 映画・演劇・Video
2016年9月2日、ウラジオストックで日露首脳会談が行われるようだ。ちょうど米国は大統領交代時期にあたり、日本を締め付ける力が弱い時期と言われていて、四島返還とは少し違う決着方法を両首脳が合意し、国民に信任を問う(日本では衆院選)のではないかとの噂が流れている。

詳細はわからないが、現実的に解決するなら、3島(あるいは面積半分)、現在の住民に日露両国が国籍及び土地所有を認める、ロシア語も公用語にする。ロシア軍基地も認める、水深の深い国後水道の自由航行権認定などだろうか。

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この「おろしあ国酔夢譚」だが、1782年に大黒屋光太夫が乗り込んだ商船が伊勢から江戸に向かう途中に暴風で難破。17人中16人の船員はロシア領の島(アムチトカ島・現在は米国アラスカ州・核実験場)にたどり着く。

その後、徐々に人間の数が減りながら、彼らはオホーツク、イルクーツク、ペテルブルグと帰国許可を得るためにロシアを横断。ちょうどロシアが広大な国土を確立していく時代だった。エカテリーナ女帝は実はドイツ人で戦争好きだった。

実話を小説に書いたのは井上靖。50年前だ。当時はまだ時代考証が完ぺきではなかったのだが、その後、光太夫のことはかなり研究され、この映画は井上靖の原作を実話に合わせながら修正している。

どちらかといえばロシア人に好意的な視点であり、ロシア人は豊かな地面を持つわけでもなく、極寒の地に命がけで暮らして、もっと良い土地を探しても探しても氷雪の世界から抜け出せないという悲しい民族なのだ。第二次大戦でも圧倒的多数のロシア人が亡くなっているし、ロシアはそういう構造の国であるということを理解しなければならない。

ところで、安倍首相はプーチン大統領を地元山口県に招待しようと思っているようだが、まさか日清戦争の講和条約を締結した下関にと思っていることはないだろうか。中国の屈辱の場所だ。