駅弁のむかし

2016-01-17 00:00:17 | 美術館・博物館・工芸品
汐留の鉄道歴史展示室(旧新橋停車場)の企画展として「駅弁むかし物語」が開催されている。

ekiben1


この駅弁の始めだが、諸説あるのだが、現在は「宇都宮駅」ではないかといわれているようだ。ただし「餃子定食」じゃないようだ。

当初は、にぎりめし×2個+たくわん、だったそうで、さらにお茶が別売り。その後、弁当の方が、豪華になっていく。

それを後押ししたのが、鉄道弘済会。どうも国鉄の定年職員の再雇用先だったようだ。

ekiben2


だから、コスト無視だったのかどうかしらないが、現代の感覚ではわからないのが、弁当や茶器の素材。特にお茶は全部陶器だった。釜飯だけじゃない。

今でも、東京や大阪のようなターミナルの近くで発掘調査をすると、焼物が大量に出土するようだ。文化遺産を掘り当てたと勘違いして喜んだり(あるいは掘り当ててしまったと土木工事の工期延長に困ってしまったり)、しても、陶器をよく読むと東京駅とか駅名が書かれていて、がっかりしたり(ホッとしたり)するのだろう。

ekiben3


自分の記憶の中にある駅弁は、すでに弁当もお茶も陶器ではないので、いつ頃切り替わったのかを展示品で確認したところ、昭和36年(1961年)頃から5年ほどでお茶はプラ容器に代わっているようだ。

新幹線開業とともにということだろうが、何か関係があるのだろうか。

列車の窓が開かなくなって、乗車客が駅の売店で買うか、今でも行われているように列車内で売りにくる方式になり、運搬するのが軽い方がいいということになったのかもしれない。

リニアになったら、弁当食べるヒマもないだろう。沿線の名物といっても馬肉とかハチの子とかイナゴとか。