ついに中東大混乱が始まるのかな

2016-01-06 00:00:16 | 市民A
19世紀から20世紀、そして21世紀。ポスト・ナポレオンというべき世界史の流れをみていくと、人類は大きな損失を出しながら、まがりくねった道を進んでいるように見える。必然か偶然かわからないが巨大戦争があり、共産主義が現れたり、ナチスという思想が生まれ、最後の世界大戦は原爆投下にいたった。奇妙なことに核兵器競争の末に原爆があったのではなく、原爆さく裂が先にあって、その後に核競争が始まった。

そういう大きな流れの中で論理的でない存在が二つあって、一つは中国という国家であり、もう一つがサウジ王朝である。その二つの異質な国家は、将来のある時点には政治体制が変わっているだろうとは思うものの、どういう道筋で今の体制がなくなるのか、見当がつかない、という状況なのだ。

今回、中国のことはおいて、サウジのことだが、シーア派の長老はじめ多くの宗教家を死刑にした。公式的にはISにつながる危険思想だからということだが、イランは黙っていないだろう。軍備に大量の資金を投入していたサウジと、戦争好きなイラン。海をはさんで向かい合っているのだから、戦いになれば全面的な戦争になる可能性がある。ホルムズ海峡の問題ではなく、「ペルシャ・アラビア湾内でミサイルが飛び交う」こともあるだろう。

ところで、もとより、人権大国の米国が価値観の違うサウジアラビアの肩を持つには大きく二つの理由があって、「原油の生産量や埋蔵量が多いこと」。そして、「米国債を大量に保有していること」である。

とはいえ、昨今の原油事情では、サウジの国家予算は大幅な赤字になっているとのことである。さらに今までの裕福な財政は、国民にほとんどの住民サービスを無料にして、それで国民の離反を防止してきたわけで、借金国家に転落すれば、増税になったり、国のサービスが有料化したりして、国民の離反が進む可能性がある。そして混乱のあとに民主的政府が樹立されるのか、あるいは再び砂漠に戻っていくのか、よく見えないわけだ。かつて石油相だったヤマニ氏が自動車がガソリンを使わなくなったら、サウジは再び砂漠に戻るだろう、と予言したことが、妙に記憶に残っている。