ガイドブックに載っていない倉敷

2016-01-22 00:00:03 | たび
先日の「倉敷デパート」のように、観光ガイドブックに載っていない奇妙な倉敷というのがあり、もう一つ紹介してみたい。

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それは倉敷市立美術館なのだが、美術のことじゃないわけだ。美術のことでいうと、倉敷には大原美術館という有名なのがあり、岡山市には県立美術館があり、県下ではこの二つが双璧だ。大原美術館から徒歩5分の倉敷市立美術館をガイドブック的に紹介すると、元は市役所の建物で丹下健三氏が設計し、現在は美術館となっている、というようなことになっている。地元出身の池田楸邨のコレクションが充実しているが、大原美術館とは比べるべきではないだろう。

今回紹介するのは、美術館の裏側。つまり館員の通用門の方。

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三点セットで、まず、奇妙な樹木。十分にアートの状態といえる。本物だ。どうも狭い空間に生えた樹木が敷地の外に枝を伸ばさないように剪定しているように、現代美術のようになったようだ。

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次に、古井戸。通用門の前に2メートル四方のコンクリのふたで覆われ、上にマンホールがあって、「玄関の前の古井戸の段差につまづかないように」書かれ、「マンホールに載るのも危険」と書かれている。通用門じゃなく、玄関だったことに驚くが、それでは正面の立派な入口は、美術館入場者通用門ということになる。

そして、なんのためにここに古井戸があり続けるのか、その謎は誰にもわからない。

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最後に、その井戸の裏地にある廃屋。都会の真ん中にすばらしいアートだ。人類滅亡後50年後の地球というテーマ館なのだろうか。いまのところ、中には入れない。