ネオ・ダダ 新作展 2013‐2014

2014-03-07 00:00:55 | 美術館・博物館・工芸品
ダダイズムは20世紀初頭の美術(絵画・彫刻・写真等)界に湧きあがった革新運動で、既成権威の破壊と新分野の確立のためには多大な功績を果たした。が、もともと全体を統一する理論や囲い込む柵もないため、発展的に自然消滅していったと考えるべきだろう。

そして日本でもダダイズムは「芸術の中の前衛性」として何度か湧きあがり、その度にアートの世界に新展開を促してきた。ネオ・ダダというのは1960年に結成されたグループであり、1年足らずの間に消えていったのだが。その時の中心の人たちが、何十年かに一回、同窓会的に集合して、結構盛り上がり、場合によっては大顰蹙(だいひんしゅく)に至ることがあるそうだ。

neodada


どうも、過去にそういうことがあったらしく、今回の新作展(~3月8日)の会場は、ギャラリー58という場所は銀座四丁目四番地だが、ビルの四階である。前衛のノリで、そのまま路上パフォーマンスに出かけるには向いていない。さらにエレベーターは、ない。

アーティストは、赤瀬川原平氏、篠原有司男氏、田中信太郎氏、吉野辰海氏。作品を観ていて、「確かにネオ・ダダは現代アートに引き継がれている」と確信できるが、むしろ「ネオ・ダダは現代アートそのものではないか」ということではないだろうか。

となれば、ネオ・ダダを破壊して、さらに違う地平線に向かって出発すべき運動だってあるのではないか、とも思うわけだ。