居酒屋兆治(リアル居酒屋編)の「ごっこ汁」

2014-03-17 00:00:45 | あじ
函館の居酒屋を舞台とした映画『居酒屋兆治』は1983年に高倉健、故大原麗子出演により公開。そして同年、同じ函館に誕生した『居酒屋兆治』に今回、出演。いや、出演じゃなく入店。東京と倉敷の間で東奔西走していたのに、さらに北飛が加わる。「あとは、南落ですね、」と少し前にコメントをいただいた方がいたが、私の代わりに一機が行方不明に・・・

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で、雪の降った後の3月の函館は、結構、路面がぬかるむ。つるつる滑りながら、居酒屋にたどり着き、カウンターで予算を気にせずに飲んだり食ったりして、最後の締めに選んだのは、

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「ごっこ汁」。

「ごっこじる?」えっ?・・何度も聞き直してしまう。「じる」というのは「汁」のことだろうから「ごっこ」を汁にして食べることなのだろうが、「ごっこ」ってなんだろうか。「鬼ごっこ」とか「お医者さんごっこ」とか、そういう何かの真似(あるいはニセモノ)をする行為をさす言葉のような気がする。鮭とかカニとかだろうか。

よくわからないので「ごっこ汁」登場前に、兆治役を演じる店長に聞いてしまう。

ごっこ、とは魚の種類だそうだ。フグやアンコウのようにぬめぬめとした軟体系で吸盤が付いていて、冬の道南の特産で、汁にするのが一般的だそうだ。

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そして素朴な一品が登場。まったくの珍味で旨い。白身はふわふわである。柔らかいアンコウの食感。ゼラチン質。なにしろ、メニューにのっていないメニューである。締めに食べるのではなく、飲み食いの中盤戦で食したかった。なんとなく再訪の予感を感じてしまう。(他人事みたいな書き方になってしまう)

店名も、『居酒屋兆治ごっこ』にした方がいいのではないかと、一瞬思った。