横尾忠則の「昭和」NIPPON

2014-03-30 00:00:58 | 美術館・博物館・工芸品
神戸灘から坂を上ると王子動物園。そこを左に曲がるとしばらくして横尾忠則美術館がある。個人の美術館を作るとすると問題になるのが作品収集。基本は絵を売るために描くのだから、画家の手には絵が残らないのが普通だが、ポスター類は原画として個人に返ってくるのかな。

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で、展覧会は「昭和」にこだわる。彼の幼年時代の原体験は「空襲」。神戸や西宮を狙った空襲をリアリズムで描いている。そして戦後。万博があり、例の「状況劇場×天井桟敷」の文化人二分騒動の時には、両者と均衡外交をして、両方のポスターを描いている。

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そして、三島由紀夫。高倉健とか傾倒するもまさに昭和の時代にはまっていく。

無題としたS天皇に似た人物の全身像も描いたが、何度も執拗に昭和時代を描き続ける。

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昭和64年の正月で終わった長い昭和時代につき、彼の中では昭和は終わっていない、ということなのだろうか。

誰か、彼の昭和に「ピリオド」を打ってあげてほしい。と思う。