アルケミスト(パウロ・コエーリョ著)

2011-11-30 00:00:00 | 書評
alkemistブラジルの人気作家パウロ・コエーリョのべストセラー、『アルケミスト』を読む。

スペインの羊飼い、サンチャゴ少年は、羊のことならなんでも知っているのだが、ちょっとしたきっかけで、エジプトのピラミッドを目指し宝探しの旅に出る。

しかし、アフリカ大陸に踏み入れた少年の前には、いつも大きな壁が立ちはだかり、何度も無一文になってしまって、途中途中で働かなければならない。その都度、なんとか人生と格闘して窮地を脱していく。また美しい少女と恋をしたりして、いずれアフリカにあるとある村に戻ることを約束したりしてしまう。

そして、ついに宝の存在場所の啓示を得ることができるのだが、それは、スペインの元の場所のすぐソバなのだ。

「青い鳥」と並べる人もいるのだが、最後にオタカラを手に入れ、美しい美女に会いにいくということが、ちょっと俗っぽい結末のような気がする。学校の推薦図書にちょうどいい。

著者は、この他にもコンスタントに小説を発表し続けている。なかには、「11分間」というちょっと変わった小説がある。売春婦が登場して、多くの場合「セックスの時間は11分間」とのことである。推薦図書にはならないだろう。