猛毒大国の養殖法は

2011-11-15 00:00:48 | 書評
modoku新潮新書から2008年に発行された『「猛毒大国」中国を行く(鈴木譲仁著)』を読んだのだが、ちょうど、「毒入り餃子」事件の直後だったようで、餃子のおかげで、赤福とか白い恋人とか、不二家とか、なんとなく日本人の記憶の中で風化してしまったそうだ。

そして、中国製の加工食品についての目を覆うような実態が次々にレポートされているのだが、魚介の養殖の話が書かれていた。

実は、この本は、都内の中華料理店で、『上海蟹』を食べて2日後に読んだのだが、最近、北京で大人気のザリガニ料理について。屋台などで若者にも人気があるそうだ。このザリガニだが、本場は江蘇省産が有名だが、最近は三東省や安徽省の人工飼育が中心のようなのだが、そこで行われているのが「有機肥育養殖」。

では、「有機肥育養殖」とは何かということだが、野菜の有機栽培のような健康イメージが感じられる言葉だが、それはとんでもない誤解なのだ。

実態は、「糞便飼育」。

田舎の廃棄されたような溜池に、ザリガニと糞便を大量に放り込んで飼育しているだけ。

バッチイことこの上ないが、この方が、色は黒いが身体の大きなザリガニが育つそうだ。

もちろん、大腸菌や寄生虫にまみれていることは間違いないだろう。


ザリガニと蟹とは、別の種であることを思い出し、かろうじて納得しておく。