ニッポンの城

2011-09-13 00:00:15 | 市民A
城に関しての本は無数に出版されている。そして、それぞれが何らかの個性を持っているのだが、知っている限り、“何か1冊を読んで事足れり”ということには、ならない。事実や仮説、風説、明らかな間違いなど、様々な情報がてんこ盛りである。

nipponnnosiro


だいたい、城を観ることもなく、城を語っていることすら多いような気がする。本がたくさん出版されているので、行かずとも適当に書けるものだ。だが、実際の城に行った者からすると、「ウソっぽいなあ」と感じることも多い。

天守閣について言うと、全国にオリジナル天守閣が残っているのが12とされている。弘前、松本、丸岡、犬山、彦根、姫路、松江、備中松山、丸亀、伊予松山、宇和島、高知である。江戸初期の徳川家によるお城取壊し、火災、幕末の動乱、明治政府からの冷遇、そして空襲という次々と襲いかかる不運を乗り越えで現存しているわけだ。

個人的に現在考えているのは、空襲で焼失した天守閣は大部分が昭和20年に失われたのだが、日本が早めにギブアップしていたら、実際に立派な天守閣が数多く残っていたはず(都市爆撃の目標に使われた関係で、より多くが失われた)。天守閣が封建精神の象徴であるなら、日本の戦後に若干の影響があったのではないだろうかということだが、たぶん関係ないのだろうか。


話を戻すと、その残存12城のすべてに足を運んでいる。だから、色々言えることもある。

まず、本書は前述の12城の比較が行われる。ただ、ちょっと魅力が語られていない。悪いことを書かないようにしているからだ。ちょっと心配。

そして、白=姫路城、黒=熊本城と見立て、両城の比較が行われる。

最後に、城造りの名人の話。

一に藤堂高虎、二に加藤清正というのははずせないのだが、三として丹羽長秀である。岐阜城や安土城が彼の作と言われている。そういえば羽柴秀吉と言う名前は、彼の名前と柴田勝家から借用したもの。(返さず仕舞だった)

まあ、そういうので、安土城というのも行ってみたいなあ、と思いはじめたのである。