ドジョーは泥臭いのではなく

2011-09-27 00:00:28 | 市民A
2年前の総選挙の時、野田佳彦が総理大臣になるなんて予想していた人は、いただろうか。あるいは、本人だけは、色々な政界シチュエーションを思い描く中で、数パーセントの確率で総理大臣コースを考えていたかもしれない。とはいえ、それには、数々の偶然が必要なのだが、さらに、「鳩山、菅、小沢、岡田」の四巨頭がなんらかの関係で首相候補にならない場合に、前原らと椅子を争うということを基本戦略にしていたのだろう。(野田の首相も想定外だが対抗馬が海江田というのも、もっと想定外だ)

そう思えば、四巨頭が崩れたのが偶然だとしても、前原叩きという潜在的長期作戦は、2006年に起きていた。

偽メール事件。

民主党の若手議員、永田寿康がつかまされた偽メールを、当時民主党国対委員長だった野田は国会本会議に持ちだして自民党を攻撃しようと画策していた。当時の民主党党首は前原だった。

その偽メールを信じて疑わない野田のところに政経塾の後輩である自民党の伊藤達也から電話が入る。伊藤はIT分野に詳しく、永田議員が掴んでいるのが偽メールの可能性が高いことを知っていた。要するに党の枠を超えた政経塾仲間の連絡網だった。

しかし、それを無視。要するに、仲間を信じたりしない男なのだ。

結果として、前原党首は辞任することに至り、経歴にキズをつけることになる。また、永田議員は後日、自殺してしまう。もっとも罪の重いはずの国対委員長は後に首相になる。


もう一つ、1996年頃の話。1993年の日本新党ブームで国会議員になった野田だが、次回選挙では落選。浪人中に画策していたのが新党設立。名古屋の河村たかし氏や愛媛県知事の中村時彦氏らとともに、10数人で新党立ち上げを計画していた。

が、その流れをさぐっていた民主党が、グループの中から何名かを一本釣り。その結果、民主党に入り、現在に至る。

どうも、泥臭いというのではなく別のコトバを思いついてしまう。

『泥沼流』。

ただ、世界の政治をみれば、クリーンとかフェアというようなことを重んじる政治って、すでに過去完了で語るべきものなのだろう。

現代的に考えれば『松下政経塾』が理想とする政治は、「もう終わっている」、ということなのだろう。