スーツ店で

2011-09-15 00:00:59 | マーケティング
カーディーラーでリーフの試乗をした後、自宅近くにオープンした「銀座山形屋」に寄ってみた。

ただし、銀座山形屋はスーツの仕立屋さんである。お歳暮用の海苔の缶詰の会社じゃない。余計な話だが、おおた家の祖先は山形屋という屋号の海産物問屋だったらしい。現在まで続いていれば、商標侵害で海苔の山形屋を訴えて小金を得ることができたかもしれないが、100年以上昔に廃業している。

そして、スーツ屋って、突如不況業種になったわけだ。

街角にあるテーラーAも、紳士服量販店Bも、デパートに出店している有名ブランドCも、とにかく「クールビズ」から「スーパークールビズ」への流れの中で構造不況業種に落ち込んだわけだ。

ここで、思い出すと「クールビズ」って、どうして始まったのかというと、元はと言うと小泉純一郎に遡る。2005年。地球温暖化防止を表向きの目的として、小池百合子環境大臣と組んで実施する。チームマイナス6%というのもあった(今、思うと不吉なネーミングだ。やはり「マイナス」というコトバはダメだ)。

実際は、小泉構造改革の「踏み絵」代わりになっていて、そのまま夏の総選挙に突入し、踏み絵を踏まない議員の多くはサヨナラとなる。

で、今度の「スーパー・クールビズ」の原因は言うまでもないが、スーツ屋には何も関係も何の罪もない事項である。

で、山形屋というのはオーダー・スーツ店である。だいたい高い。売りにくいわけだ。あえて暗闇の中に光明を探せば、『円高』。輸入生地が下がっているのか下がっていないのか。

店員の方に、この夏の景気を聞くと、やはり「悲惨」だったということらしい。

 「ネクタイは全滅でした。」
 「長袖シャツも全滅でした。」
 「半袖シャツは既製品ばかりでした。」

とのこと。

では、主力のオーダースーツは、というと、「なんとかやっている」とのことらしい。

早い話が、オーダースーツの世界というのは、とっくの昔から「固定客の世界」とのこと。

一つは、ちょっと立派な生地を着たい人用である。量販店であっても、高級生地の場合、それなりの価格だし、やはりボタンの質感などはオーダーにはかなわない。かといって、山形屋というのは、オーダースーツの広域店であるので、ある程度の規模のメリットが働く。


もう一つの固定客が、「非標準体型の方々」。このカテゴリーには大きく3パターンあって、

 1)体の大きな人
 2)スポーツマン
 3)でぶ(またはメタボ)

ということになる。

この分野について、詳しく書く気にもならないが、厚労省による「メタボ退治」が広まると、さらにこの業界のマイナス要素となる。


そして、どんな人たちが、この店を訪れるのか、しばらく店内にいたので、観測してみると、この店では2パターンだった。

 1)有名人
 2)有名スポーツマン

ところで、円高効果についてだが、生地についていうと、安い方の生地の国籍は「不明」である。ウール100ではなく、ポリが混じっている。

高い方になると、概ね三か国になる。展示されている生地の国籍比率は、英国40%、イタリア50%、フランス10%といったところである。安くなっているのかどうかわかるほど通ってないので何とも言えない。女性用のスーツも扱っているが、1時間の間にお客さんはゼロだった。

考えてみれば、夏は、オフシーズンということなのだろう。(もう9月だが)