蟹が来た不思議

2011-09-26 00:00:22 | あじ
山本文緒『アカペラ』は、家庭崩壊の中で浮遊する中学三年女子と、彼女をとりまく複雑で暗く重い家族関係がメインテーマの小説で、そのテーマを発展させていくと、人間という複雑な生物の話になっていくのだが、家族以外の登場人物の中で最も重要な役回りを与えられるのが、担任の男性教諭である「蟹江」である。

なんとなくダメ教師でありながら、結婚の予定もない恋人と甘い夜を過ごしている途中でも、女子生徒の悩みごとを聞くために夜中にベッドから出て行ったりするわけだ。

で、説明は大きく省くが、生徒たちにつけられているあだ名は苗字に因んで、「カニータ」である。


で、・・・

前振りが長くなったが、本を読んだ次の日に、突然のクール宅急便。

知人から、「毛ガニ」が届いた。

kegani


さっそく、食べてしまう。

実は、蟹を解体するのは、かなり得意だ。本当は、分解方法を順に撮影したいところだが、そうはいかないわけだ。もちろん手が汚れているからだ。ハサミと蟹フォークとつま楊枝とかそんなものだ。

もちろん集中心にかけると、怪我をしたりする。

30分後には、元の蟹の倍ぐらいの甲羅の山ができる。

ところで、毛ガニと似た蟹に、栗ガニとかトゲ栗蟹がある。栗ガニと毛ガニの見極めは容易だ。毛ガニは表面を「毛」で覆っているのに対し、栗ガニの甲羅を覆っているのは、「トゲ」だからだ(正確にいうと、毛ガニは、毛のようなトゲに覆われている)。


ロブスターという海老に似たザリガニがいる。イセエビとの最大の差はロブスターにはハサミがある、ということだが、ハサミを取り去るとかなり似ているのだが、食べ方については大違いである。ロブスターの解体法は、蟹と同じ原理だ。

よく、女性にモテルための一つの条件として、「上手に蟹を分解するできる能力」ということが言われるが、毛ガニで分解トレーニングするのは、費用対効果からいっても得策ではないだろう。レストラン「レッドロブスター」に行ってみたらいいかもしれない。