西新橋カレータウン

2010-09-17 00:00:12 | あじ
カレーと言えばインド料理であるが、本場のカレーと日本にあるインド料理店のカレーでは、かなり異なる味のようだ。一番違うのが辛さ。日本のインド料理店のほとんどは、カレーを食べても口がしびれたりしない。かつてはインド大使館の脇には、本物のカレーがあり、一口食べるだけで失神しそうだったが、その店すら、店舗の場所も変わり、味も日本的になってきている。インドでも幼児向きのタマゴカレーとかあるが、日本のインド料理店の辛さは、このタマゴカレーと同等かもしれない。

実は、ここ数ヶ月、カレーにはまっている。イチロー選手は毎朝カレーを食べているそうだが、私は、週に1回だけにしている。毎日食べるほど胃袋はタフじゃないし、咽頭、食道、大腸が悪性の病気になりそうな気がしないでもない。さらに、カレー以外にも美味いものもあるし。

そういえば、かつて池田隼人という総理大臣がいて、「所得倍増計画」という非常に分かりやすい政策で日本をGDP大国に導いてくれたのだが、彼の好物のカレーライスと死因の咽頭の病気が直結的に報道され、カレー粉業界に大打撃を与えたことがあった。今日まで生きていれば、111歳。一人当たりの所得は米国の十倍くらいになっていたかもしれない。



さて、最近は、葛西にインド人街が自然発生し、多くのインド料理店があるそうだが、実は、東京でもインド料理店が数多くある場所がある。新橋烏森口の近くのエリアと、そのエリアから日比谷通りを渡ったところにある西新橋地区である。まず、西新橋の方から。



まず、新橋駅に近い方からいうと、『サモサ』。実は、きょう紹介の5店の中で、価格的にはもっとも安い。500~700円程度。いつも店頭にインド国民が立って、呼び込みをしている。カウンター中心の店で、店内は狭い。味は、非常にあっさりしている。このあっさりさが、本当のインドの家庭料理で、他の店より香辛料の種類が少ないと感じさせられるのだが、他店の方が美味しいと感じる人が多いと思う。ただ、他店のカレーの方が、各種の油類が多いように思うので、ダイエットにはこの店の方がいい。なんというかザルソバと天ぷらソバを比べるようなもので、なんとも言えない。野菜カレーでいい味をだす。




次に、『スパイスキッチン2』。変な名前だが『スパイスキッチン1』は日比谷国際ビルに入っている。店員、厨房もオールインド2名である。700円前後だが、味は本格的である。ここの店でまずいという人はいないだろう。チキンとキーマは、実力がでるカレーだが、一流の味。店舗はここも狭く、カウンター中心である。欠点とは言えないが、ナンが巨大で、隣の席にはみ出すことがある。ナンは、あっさり系の味。一人で入る場合はライスの方が無難かもしれない。




次が、『エリック・カレー』。変な名前である。エリックの意味はよくわからない。こちらも奥長の店舗でカウンター方式。オール日本人である。日本人の考えそうなことだが、メニューが複雑。カレーの二種盛りが可能。サラダとラッシー等の飲み物とセットにして1000円くらいだが、単品を食べれば600円から700円。最初に行った時は、メニューが解読できずに、二種のカレーのうち一つは、カレースープだと思って、そのままスプーンで食べていたのだが、それではライスが余ることに気付く。ナンではなくチャパティがこの店の特徴。インドの庶民の家では、ナンよりもチャパティの方が主流のようだ。




次に虎ノ門に近い方にあるのが、『グランドダージリン』。地下である。ちょっと高い。1000円程度である。何しろ、インド国民が数多く働いている。人件費の割り増し分が単価を押し上げているのだろう。そして、12時になると、列ができている。それほどでもないように思うが、カウンター席などなく、すべてテーブル席である。ただ、客筋はあまり変わっていないように思える。




きょうの最後は『MANDAP』。店舗の意味は不明だ。かなりわかりにくい場所にある。しかも店舗の入り口が狭いのに、奥行きが非常に長い。どうして、カレー店ってこういう奥長の店が多いのだろう。味は、かなりの本格風である。一口では語れないが、様々な香辛料が使われている。900円といったところ。普通のカレーだけではなく、野菜やエビなどの種類も多い。そして、最大の特徴はナンの味。少し、甘い。しかも歯ごたえがある。さらに、ライスまたはナンは、おかわり自由だ。あえて欠点は、メニューのあいまいさかな。


ところで、この地区にインド料理店が多いのも、いささか理解できない。葛西にはインド国民が住んでいるからインド料理店が多いという「原因と結果」が明白だが、西新橋には、インド人街もなければ、インド企業もないのだから、インド料理店が多い理由がよくわからない。

先日、インド風の方が、二人で歩いていたのだが、もしかして、「そういう組織のアジト」が見つかるのではないかと後をツケて見たのだが、結局、追跡してみた二人組は、今日紹介した5店の中の一つに吸い込まれていっただけなのである。