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続・SCUDERI ENGINE

2010年02月15日 | エンジン

SCUDERI ENGINEは2ストローク・1サイクルエンジンなので、ここでおさらいをしておきたい。

広く普及した上のアニメーションの2ストエンジンは”ジョセフ・デイの最初の2ストエンジン”で紹介して、最初の2ストエンジンはスコットランドの David Icke が1881年に発明したことになっているが、それは1次圧縮を燃焼とは別のシリンダーを行うもので、現代の通常の2ストエンジンと同じ1次圧縮をクランクケースで行う方式はイギリス人のJoseph Dayが発明したとある。と記述したがDavid Icke はどうやら間違いでDugald Clarkが正しいようだ。

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Twostroke 画像はttp://www.yachtsurvey.com/comparing_diesel_types.htmより転載

クラークのエンジンは検索しても出てこないので、今のところは実際に製作したのかも不明だが、送風機を使って掃気を行い、4ストロークで言うところの排気行程と吸気行程を省略した概念はユニフローデイーゼルに応用されている。

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SCUDERI ENGINEは”1次圧縮”をクランクケース内で行わないので、分類するとすればクラーク式になると思う。クランクケースを1次圧縮に使わないメリットは燃料に潤滑オイルを混合しないですむから、排ガスにオイルが燃えた臭いがないことや、マフラー内の触媒が影響を受けないこと、そして排出HCが少ないことが上げられる。そしてもう一つは多気筒化は比較的簡単だ。

デメリットはシリンダーが倍になるので、全体のサイズが大きくなる。

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クラーク式と大きく異なるのは、2次圧縮を行わないで吸入/圧縮シリンダーの高圧空気をそのまま燃焼に使うことだ。

前記事では”この場面では燃焼シリンダーのバルブが開いているタイミングで点火しているが、それよりも燃焼シリンダーは上死点を過ぎていることに注目したい。実際には燃焼圧が過給圧を上回る前にバルブは閉じるはず。”と記述しているが、

Scuderiエンジンは、連結管内の高圧空気と燃焼シリンダー内の攪流を利用してATDC点火を実現します。

Scuderiスプリットサイクルエンジンの各シリンダーは独立しているため、圧縮シリンダー内の圧縮比が燃焼工程で制限されることはありません。圧縮シリンダー内部の圧力が通常のエンジンの燃焼時と同程度の場合、圧縮比は100:1程度になります。当社の自然給気 (NA) エンジンでは、圧縮シリンダーおよび連結管内の圧力は50バール (735 psi) 以上、ターボチャージ (TC) エンジンでは130バール(1900 psi)以上に達します。

この高圧空気が燃焼シリンダーに入ると激しい攪流が生じます。燃焼時に弁をできるだけ長時間、開いておくことによって、この攪流がさらに激しくなります。その結果、混合気が非常に速い速度で噴霧化し、今までになく高い火炎速度または燃焼比が得られます。開始圧力が高く、火炎速度が速いので、点火後 ATDC角度 11~15度で燃焼が起こり、23度で終了します。(記事の抜粋はttp://www.scuderiengine.jp/why-is-the-scuderi-split-cycle-engine-better-ja-JP/より転載)

ということだ。つまり現代のエンジンは吸入行程で発生したスワールやタンブルを燃焼時にまで温存する必要があるが、このシステムでは燃焼が始まってもバルブが開いている間は新しい攪流が起きるから燃焼速度がとても速く、点火次期が遅いのは全く問題はなく、むしろ狙い通りだと言っているのではないだろうか。

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