http://japan.hani.co.kr/arti/politics/35289.html
「The Hankyoreh」 2019-12-19 07:59
■サムスン、イ・ジェヨン副会長裁判に総力集中
破棄差戻し審裁判所が求めた「遵法経営」案について
主要経営陣や外部ローファームなどと共に模索中
【写真】サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が10月25日午前、ソウル瑞草区のソウル高等裁判所で開かれた賄賂供与事件の破棄差戻し審裁判の初公判に出席し、頭を下げている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社
18日、サムスン電子がサムスン物産と共同名義で過去の系列会社の労組活動を妨害したことなどに謝罪の意を込めた立場文を発表した中、サムスン電子などサムスングループの中心部では、国政壟断事件とサムスンバイオロジックスの会計不正事件の捜査および裁判と関連し、イ・ジェヨン副会長を保護する方法を中心に緻密に準備しているという。何よりも、国政壟断事件の破棄差戻し審裁判所が求めた「遵法経営」案の模索に、すべての力を集中している。このため、イ副会長が労組解体事件はもちろん、最近の相次ぐ事態に対して直接メッセージを出す可能性は低いものとみられる。
現在、サムスン電子が最大の力を入れているのは、イ副会長の破棄差戻し審関連の準備だ。今月初め、破棄差戻し審の三回目の公判で、ソウル高裁刑事1部(裁判長チョン・ジュニョン)が異例の要求を出したためだ。裁判所は当時、「今後も政治権力者から同じことを要求された場合、賄賂を供与するのか。こうした要求があっても、企業が応じないためにはどうすればいいのか、次の裁判期日前まで回答してほしい」と求めた。
これに対し、サムスン電子は中核の経営陣や外部の法律事務所などと共に、「遵法経営」関連案を模索しているという。イ副会長は、破棄差戻し審でも原審が維持された場合、特定犯罪加重処罰法(特加法)の就業制限条項により、サムスン電子と類似系列会社に在職できなくなる。
イ・サンフン取締役会議長など重要役員の法廷拘束をもたらしたサムスン電子サービス労働組合活動の妨害と関連した上級審の準備も続いている。同日、サムスン電子とサムスン物産が発表した立場文に糸口がある。200字原稿1枚にも満たない短い文章だが、「裁判所の判断を謙虚に受け止める」や、「サムスン電子サービス労組に謝罪する」などの文言は書かれなかった。特に「労使問題で多くの方々にご心配をおかけすると共に、ご期待を裏切る結果となり、大変申し訳ない」とし、謝罪の対象も「多くの方々」と曖昧に規定した。上級審に不利に働きかねない表現を避けたのだ。
サムスン関係者はハンギョレとの電話インタビューで、「監査委員会などの検討を経て、立場文の文言をまとめた。(一審判決の)翌日に立場文が発表されたのもそのためだ」と話した。イ副会長が最近の相次ぐ事態について口を開くかどうかも関心を集めている。昨年5月、公正取引法上同一人(グループのトップ)の地位に上って以来、トップとしての動きを見せてきたため、一部ではサムスン電子の中核役員らが逮捕された異例の状況について、直接意見表明に乗り出すこともあり得るという見通しを示している。しかし、その可能性は高くはないものと見られる。自身が直接関わったり、関わった疑いのある裁判や捜査が進められている最中であるうえに、サムスングループはトップが直接謝罪の意を表明しないのが慣例だからだ。2006年の「安企部Xファイル事件」と2008年の「裏金事件」当時の対国民謝罪文は、当時ナンバーツーだったイ・ハクス戦略企画室長(旧未来戦略室長)がイ・ゴンヒ会長に代わって読み上げた。
キム・ギョンラク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/921375.html
韓国語原文入力:2019-12-19 02:11
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/35270.html
「The Hankyoreh」 2019-12-17 20:49
■「サムスン労組瓦解工作」イ・ジェヨン副会長の最側近など7人、法廷拘束
エバーランドに続きサムスン電子サービスも有罪
イ・サンフン理事会議長など役員に実刑
裁判所「証拠明白で黙過できない」
サムスン電子の子会社であるサムスン電子サービスの労働組合を瓦解させた容疑で起訴されたサムスン電子のイ・サンフン理事会議長が、1審で懲役1年6カ月の実刑を宣告され法廷拘束された。イ議長をはじめとして、労組瓦解工作に加担したサムスンの前・現職高位役員など7人が実刑を宣告された。サムスン電子サービスに対する組織的な労組瓦解行為に対して、2013年検察捜査が始まり6年ぶりに出てきた裁判所の判断だ。
ソウル中央地裁刑事23部(裁判長ユ・ヨングン)は17日、労働組合および労働関係調整法、個人情報保護法、勤労基準法違反の容疑で起訴されたサムスン電子サービス労組瓦解関連被告人32人に対する宣告公判を開いた。裁判所は、サムスンの経営陣が労組運営に介入し、労組員の個人情報を収集し、労組脱退を勧めて不利益を与えた容疑についてすべて“有罪”と見て、これを企画し実行したサムスン側の高位役員5人と外部要人2人に実刑を宣告した。
サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の“最側近”に挙げられるイ・サンフン・サムスン電子理事会議長と労使戦略を樹立・実行するコントロールタワーの役割を果たしたサムスングループ未来戦略室所属だったカン・ギョンフン副社長は、それぞれ懲役1年6カ月を宣告された。またサムスン電子のモク・チャンギュン専務とサムスン電子サービスのパク・サンボム代表、チェ・ピョンソク専務は、それぞれ懲役1年、1年6カ月、1年2カ月を宣告された。
外部要人でサムスングループ労組の瓦解に加担した元情報警察K氏とS労務士は、それぞれ懲役3年と懲役10カ月を宣告された。2人の他にサムスンカードのウォン・ギチャン代表とサムスン電子のパク・ヨンギ副会長、サムスン物産のチョン・グムヨン代表らは懲役刑の執行猶予を宣告された。
2013年、子会社のサムスン電子サービスに労組が設立されるとイ議長などサムスングループの役職員は、いわゆる「グリーン化作業」と呼ばれる労組瓦解戦略をグループ次元で樹立し実行した。サムスン電子とサムスン電子サービスなどの子会社には、対応タスクフォース(TF)と状況室などが構成され、これを実行した。死亡した労組員の遺族に会社の資金を引き出し宥和用の金品を渡し、労使交渉を意図的に遅延させた容疑もある。韓国経営者総協会の役職員や情報警察は積極的に介入し、サムスンの労組瓦解を手伝った。
裁判所は、サムスンが作った数千件の労組瓦解文書をサムスングループから協力業者につながる「組織的共謀」の証拠と認定した。裁判所は「未来戦略室のカン・ギョンフンとCFOだったイ・サンフンに至るまで、労組瓦解戦略の樹立と実行を指示し報告を受けた証拠が充分だ」と明らかにした。
この日の宣告で、2013年にサムスングループが作成した「Sグループ労使戦略」が初めて公開されてから、サムスン電子サービスとエバーランド労組瓦解事件の1審裁判が終えられた。両事件は、昨年李明博(イ・ミョンバク)元大統領の「ダース訴訟費代納」捜査のために検察がサムスングループ瑞草洞(ソチョドン)社屋を押収捜索する過程で、6千件ほどの関連文書を発見し再捜査が始まった。2015年検察はこの事件を「無嫌疑」処分していた。
チャン・イェジ、コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/921211.html
韓国語原文入力:2019-12-17 18:58
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/18/2019121880003.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/18/2019121880003_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/18/2019121880003_3.html
「朝鮮日報日本語版」 2019/12/18 08:24
■サムスン電子取締役会議長を法廷拘束
サムスン電子サービス労働組合の活動を妨害したとして在宅起訴されたサムスン・グループの多数の元幹部・現幹部らに対し、一審で有罪判決が出た。
ソウル中央地裁刑事第23部(ユ・ヨングン裁判長)は17日、グループとして組織的に労組をつぶそうとしたとして起訴された「サムスンのナンバー2」李相勲(イ・サンフン)サムスン電子取締役会議長=写真=と姜景薫(カン・ギョンフン)サムスン電子副社長にそれぞれ懲役1年6月を言い渡し、法廷で拘束した。
2人は2013年、サムスン・グループの未来戦略室人事支援チーム主導でサムスン電子サービスの労組設立の動きをつぶすため、いわゆる「グリーン化」戦略を立てて総合状況室を設け、賃金削減や差別待遇、狙いを定めて監査するなどの弾圧行為を行ったとして起訴されていた。
同地裁は「未来戦略室から関連会社や子会社に配布された各労組戦略、非常対応シナリオ、秘密動向報告など労組つぶし戦略を標榜し、具体的に実施した方策は数知れない。李相勲議長や姜景薫副社長までもが労組つぶし実行と戦略を指示し、報告を受けていた証拠は十分ある」と述べた。同地裁はこの日、検察が起訴したサムスン・グループおよび関連会社の元幹部・現幹部ら32人のうち26人に有罪を言い渡し、そのうち7人を法廷拘束した。同日、懲役1年6月を言い渡されて法廷拘束された姜景薫副社長は今月13日、サムスン・グループのテーマパーク、エバーランドの労組つぶし事件でも懲役1年4月の実刑判決を受けたが、裁判所はこの時、防御権を保障するという観点から法廷拘束はしなかった。
しかし、未来戦略室人事支援チームでグループ全体の労使業務を総括していた姜景薫副社長は、サムスン電子サービス労組つぶし事件でも重要な役割を果たしたとして重複起訴され、結局法廷拘束を避けることはできなかった。未来戦略室はチェックリストを作成、系列会社に配布して対応態勢をチェックし、関連会社がチェックリストに基づいて労組設立の対応緊急シナリオを作成すると、これを点検して再び補完事項を指摘するなど、いわゆる「グリーン化」作業の司令塔的な役割をしていた。
同地裁は、姜景薫副社長に対し、「労組つぶし戦略の企画・実行において非常に重要な役割を果たした。別の事件で既に実刑が言い渡されている点も考慮した」と法廷拘束の必要性を強調した。李相勲議長については、「本人は知らなかった部分が多いと言うが、単に枝葉的な部分を知らなかったという理由により免責することはできない」とも述べた。
李相勲議長と姜景薫副社長以外にも、裁判所は モク・チャンギュン・サムスン電子専務に懲役1年、チェ・ピョンソク・サムスン電子サービス専務に懲役1年2月、パク・サンボム元サムスン電子サービス代表に懲役1年6月を言い渡し、全員法廷拘束した。相対的に加担程度が小さいウォン・ギチャン・サムスンカード代表、パク・ヨンギ・サムスン電子副会長、チョン・グムヨン・サムスン物産代表らは執行猶予付きの有罪判決を言い渡された。
サムスン電子は衝撃に見舞われた。業界関係者は「サムスン電子側もこうした判決が出るとは予想できなかったと聞いている」と話す。サムスン電子側は今回の判決に対する公式見解を出していない。財界では、李相勲議長が法廷拘束されたことから、サムスン電子が大きく揺らぐ可能性があると見ている。取締役会は専門経営者をけん制し、主要投資を決定するなど、サムスン電子の最高意思決定機関として機能してきた。特に李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は、解体された未来戦略室に代わって、商法に明記されている取締役会を中心とした経営へと意思決定構造を変える計画を持っている。
今年9月まで社内取締役5名だった取締役会は、今や社内取締役3人に減った。今年10月、李在鎔副会長は3年の任期が終わると、取締役再選任を放棄したが、今回の判決で李相勲議長が拘束されたため、取締役会の社内取締役はサムスン電子の各事業を担当するキム・ギナム副会長、キム・ヒョンソク社長、コ・ドンジン社長の3人だけになった。また、今回の判決で多数の幹部が有罪判決を受けたため、サムスン・グループでは大幅な人事異動を余儀なくされるだろうという見方が出ている。この日の判決が言い渡された後、全国金属労組サムスン電子サービス支会は、ソウル中央地裁前で記者会見を開き、「すべての国民がサムスンの労組つぶしの真実をはっきり確認できるよう、サムスンで労働組合を拡散していく」と述べた。
朴国熙(パク・ククヒ)記者
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191217002700882?section=news
「聯合ニュース」 2019.12.17 17:07
■サムスン電子の取締役会議長に実刑判決 労組活動妨害=韓国地裁
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は17日、子会社の労働組合の活動を妨害したとして、労働組合および労働関係調整法違反などの罪で在宅起訴されたサムスン電子の李相勲(イ・サンフン)取締役会議長に対し、懲役1年6カ月の判決を言い渡した。李被告はサムスンの「ナンバー2」とされる。実刑判決により、法廷で身柄を拘束された。
【写真】出廷する李相勲氏=17日、ソウル(聯合ニュース)
この件を巡り、検察はサムスン電子と同社の製品アフターサービス子会社、サムスン電子サービスの法人を含め計32人を起訴していた。地裁はこのうち、両社やグループ系列会社の幹部(退職者含む)など26人に有罪判決を言い渡した。サムスン電子の姜景薫(カン・ギョンフン)副社長も懲役1年6カ月の判決を受け、法廷で拘束された。
李被告らサムスン電子の幹部は、2013年にサムスン電子サービスに労働組合が結成されるとグループレベルで「労組つぶし」の戦略を立て、実行した罪に問われた。
検察の捜査により、サムスン電子とサムスン電子サービスなどの子会社は対応のためのチームや状況室を設置し、戦略を具体化していたことが判明。具体的に、強硬な労組が設立された下請け会社を廃業させて組合員を経済的に困窮させたり、組合員をターゲットにした監査を実施したりしていたという。労使交渉を意図的に遅らせていた疑いもある。こうしたことに韓国経営者総協会の関係者や情報警察が介入した事実も、検察の捜査で明らかになった。
地裁は、こうした罪の大半を有罪と認めた。
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/35288.html
「The Hankyoreh」 2019-12-19 00:11
■[社説]相次ぐ「有罪判決」サムスン、「申し訳ない」で済ませてはならない
【写真】金属労組サムスン電子サービス支部の組合員らが17日午後、ソウル瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた労組瓦解事件の判決公判後に記者会見を開き、立場を表明している。キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
サムスンは18日、サムスン電子とサムスン物産名義の文書を通じて「労使問題によって多くの方々にご心配をおかけし、失望させて申し訳ない」と発表した。サムスン電子の子会社であるサムスン電子サービスの労組破壊事件にグループが組織的に介入したという理由で、前日にサムスン電子取締役会のイ・サンフン議長や同社のカン・ギョンフン副社長をはじめとする元・現役員が大量に実刑(1審)を言い渡されたことによるものだ。8月にはイ・ジェヨン副会長の収賄事件で最高裁の有罪判決が出され、今月にはサムスンバイオロジックスの証拠隠滅、サムスンエバーランド労組破壊事件でも有罪判決(1審)が出されている。目覚しい実績を誇るグローバル企業という名声にはまったく似つかわしくない惨憺たる姿だ。
サムスンの労組破壊事件は2013年に正義党のシム・サンジョン議員が150ページにおよぶ『Sグループの労使戦略文書』を公開し、世論をにぎわせた。二度の判決で認めたように、サムスンは労組結成の動きがあれば対応チームを作って監視し、狙い撃ち監査、解雇、偽装廃業を通じて労組破壊に明け暮れた。このような「犯罪的行動」を法廷で断罪するのに6年もかかった。検察が捜査に一度ふたをし、裏金を受け取った警察官が脱法を助けたからこそ可能だったはずだ。労働部と経総(韓国経営者総協会)も外部助力者としてふるまった。
サムスンは8月の最高裁判決直後にもサムスン電子名義の文書を出している。しかし、事件の重さにふさわしい反響を呼ぶことはできなかった。「国民にご心配をおかけし、申し訳なく思い、過ちを繰り返さないようにする」という原論的な言及にとどまった。
サムスンは今回の文書でも、「労組に対する視線と認識が国民の目線と社会の期待に達していなかった」とし、「未来志向的で健全な労使文化を確立していく」と表明している。欧州で労働組合が合法化されてから100年を優に超えているというのに、グローバル企業サムスンがようやく「労組に対する視線と認識」を反省するということを、一体どう見るべきか。安易極まりなく、本当に過ちを反省しているのか疑問を抱かせる謝罪文と言わざるを得ない。
サムスンは時代錯誤的な「無労組経営」を直ちにやめ、「労組を作る権利」を実質的に保障する方策を提示すべきだ。破壊工作の対象だった組合員に謝罪し、労組をパートナーとして受け入れる姿勢が、究極的には会社にとっても有益であることに気づくべきだ。グループの経営陣が直に反省の念とともにシステムの改善策を打ち出して、生まれ変わる努力をしてほしい。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/921312.html
韓国語原文入力:2019-12-18 17:37
https://www.afpbb.com/articles/-/3260195
「AFP」 2019年12月18日 23:44
■サムスン幹部ら、労組妨害で懲役1年半 社が異例の陳謝
【12月18日 AFP】世界最大手のスマートフォン・半導体メーカー、サムスン電子(Samsung Electronics)は18日、取締役会議長らが労働組合の活動を妨害して有罪判決を受けたことをめぐり、異例の陳謝を行った。
李相勲(イ・サンフン、Lee Sang-hoon)取締役会議長と姜景薫(カン・ギョンフン、Kang Kyung-hoon)副社長は17日、同社カスタマーサービス部門の社員らによる労組活動を阻止するため、さまざまな策略を主導していたとして、労働組合法違反で懲役1年6月の有罪判決を受けた。
「The Hankyoreh」 2019-12-19 07:59
■サムスン、イ・ジェヨン副会長裁判に総力集中
破棄差戻し審裁判所が求めた「遵法経営」案について
主要経営陣や外部ローファームなどと共に模索中
【写真】サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が10月25日午前、ソウル瑞草区のソウル高等裁判所で開かれた賄賂供与事件の破棄差戻し審裁判の初公判に出席し、頭を下げている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社
18日、サムスン電子がサムスン物産と共同名義で過去の系列会社の労組活動を妨害したことなどに謝罪の意を込めた立場文を発表した中、サムスン電子などサムスングループの中心部では、国政壟断事件とサムスンバイオロジックスの会計不正事件の捜査および裁判と関連し、イ・ジェヨン副会長を保護する方法を中心に緻密に準備しているという。何よりも、国政壟断事件の破棄差戻し審裁判所が求めた「遵法経営」案の模索に、すべての力を集中している。このため、イ副会長が労組解体事件はもちろん、最近の相次ぐ事態に対して直接メッセージを出す可能性は低いものとみられる。
現在、サムスン電子が最大の力を入れているのは、イ副会長の破棄差戻し審関連の準備だ。今月初め、破棄差戻し審の三回目の公判で、ソウル高裁刑事1部(裁判長チョン・ジュニョン)が異例の要求を出したためだ。裁判所は当時、「今後も政治権力者から同じことを要求された場合、賄賂を供与するのか。こうした要求があっても、企業が応じないためにはどうすればいいのか、次の裁判期日前まで回答してほしい」と求めた。
これに対し、サムスン電子は中核の経営陣や外部の法律事務所などと共に、「遵法経営」関連案を模索しているという。イ副会長は、破棄差戻し審でも原審が維持された場合、特定犯罪加重処罰法(特加法)の就業制限条項により、サムスン電子と類似系列会社に在職できなくなる。
イ・サンフン取締役会議長など重要役員の法廷拘束をもたらしたサムスン電子サービス労働組合活動の妨害と関連した上級審の準備も続いている。同日、サムスン電子とサムスン物産が発表した立場文に糸口がある。200字原稿1枚にも満たない短い文章だが、「裁判所の判断を謙虚に受け止める」や、「サムスン電子サービス労組に謝罪する」などの文言は書かれなかった。特に「労使問題で多くの方々にご心配をおかけすると共に、ご期待を裏切る結果となり、大変申し訳ない」とし、謝罪の対象も「多くの方々」と曖昧に規定した。上級審に不利に働きかねない表現を避けたのだ。
サムスン関係者はハンギョレとの電話インタビューで、「監査委員会などの検討を経て、立場文の文言をまとめた。(一審判決の)翌日に立場文が発表されたのもそのためだ」と話した。イ副会長が最近の相次ぐ事態について口を開くかどうかも関心を集めている。昨年5月、公正取引法上同一人(グループのトップ)の地位に上って以来、トップとしての動きを見せてきたため、一部ではサムスン電子の中核役員らが逮捕された異例の状況について、直接意見表明に乗り出すこともあり得るという見通しを示している。しかし、その可能性は高くはないものと見られる。自身が直接関わったり、関わった疑いのある裁判や捜査が進められている最中であるうえに、サムスングループはトップが直接謝罪の意を表明しないのが慣例だからだ。2006年の「安企部Xファイル事件」と2008年の「裏金事件」当時の対国民謝罪文は、当時ナンバーツーだったイ・ハクス戦略企画室長(旧未来戦略室長)がイ・ゴンヒ会長に代わって読み上げた。
キム・ギョンラク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/921375.html
韓国語原文入力:2019-12-19 02:11
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/35270.html
「The Hankyoreh」 2019-12-17 20:49
■「サムスン労組瓦解工作」イ・ジェヨン副会長の最側近など7人、法廷拘束
エバーランドに続きサムスン電子サービスも有罪
イ・サンフン理事会議長など役員に実刑
裁判所「証拠明白で黙過できない」
サムスン電子の子会社であるサムスン電子サービスの労働組合を瓦解させた容疑で起訴されたサムスン電子のイ・サンフン理事会議長が、1審で懲役1年6カ月の実刑を宣告され法廷拘束された。イ議長をはじめとして、労組瓦解工作に加担したサムスンの前・現職高位役員など7人が実刑を宣告された。サムスン電子サービスに対する組織的な労組瓦解行為に対して、2013年検察捜査が始まり6年ぶりに出てきた裁判所の判断だ。
ソウル中央地裁刑事23部(裁判長ユ・ヨングン)は17日、労働組合および労働関係調整法、個人情報保護法、勤労基準法違反の容疑で起訴されたサムスン電子サービス労組瓦解関連被告人32人に対する宣告公判を開いた。裁判所は、サムスンの経営陣が労組運営に介入し、労組員の個人情報を収集し、労組脱退を勧めて不利益を与えた容疑についてすべて“有罪”と見て、これを企画し実行したサムスン側の高位役員5人と外部要人2人に実刑を宣告した。
サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の“最側近”に挙げられるイ・サンフン・サムスン電子理事会議長と労使戦略を樹立・実行するコントロールタワーの役割を果たしたサムスングループ未来戦略室所属だったカン・ギョンフン副社長は、それぞれ懲役1年6カ月を宣告された。またサムスン電子のモク・チャンギュン専務とサムスン電子サービスのパク・サンボム代表、チェ・ピョンソク専務は、それぞれ懲役1年、1年6カ月、1年2カ月を宣告された。
外部要人でサムスングループ労組の瓦解に加担した元情報警察K氏とS労務士は、それぞれ懲役3年と懲役10カ月を宣告された。2人の他にサムスンカードのウォン・ギチャン代表とサムスン電子のパク・ヨンギ副会長、サムスン物産のチョン・グムヨン代表らは懲役刑の執行猶予を宣告された。
2013年、子会社のサムスン電子サービスに労組が設立されるとイ議長などサムスングループの役職員は、いわゆる「グリーン化作業」と呼ばれる労組瓦解戦略をグループ次元で樹立し実行した。サムスン電子とサムスン電子サービスなどの子会社には、対応タスクフォース(TF)と状況室などが構成され、これを実行した。死亡した労組員の遺族に会社の資金を引き出し宥和用の金品を渡し、労使交渉を意図的に遅延させた容疑もある。韓国経営者総協会の役職員や情報警察は積極的に介入し、サムスンの労組瓦解を手伝った。
裁判所は、サムスンが作った数千件の労組瓦解文書をサムスングループから協力業者につながる「組織的共謀」の証拠と認定した。裁判所は「未来戦略室のカン・ギョンフンとCFOだったイ・サンフンに至るまで、労組瓦解戦略の樹立と実行を指示し報告を受けた証拠が充分だ」と明らかにした。
この日の宣告で、2013年にサムスングループが作成した「Sグループ労使戦略」が初めて公開されてから、サムスン電子サービスとエバーランド労組瓦解事件の1審裁判が終えられた。両事件は、昨年李明博(イ・ミョンバク)元大統領の「ダース訴訟費代納」捜査のために検察がサムスングループ瑞草洞(ソチョドン)社屋を押収捜索する過程で、6千件ほどの関連文書を発見し再捜査が始まった。2015年検察はこの事件を「無嫌疑」処分していた。
チャン・イェジ、コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/921211.html
韓国語原文入力:2019-12-17 18:58
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/18/2019121880003.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/18/2019121880003_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/18/2019121880003_3.html
「朝鮮日報日本語版」 2019/12/18 08:24
■サムスン電子取締役会議長を法廷拘束
サムスン電子サービス労働組合の活動を妨害したとして在宅起訴されたサムスン・グループの多数の元幹部・現幹部らに対し、一審で有罪判決が出た。
ソウル中央地裁刑事第23部(ユ・ヨングン裁判長)は17日、グループとして組織的に労組をつぶそうとしたとして起訴された「サムスンのナンバー2」李相勲(イ・サンフン)サムスン電子取締役会議長=写真=と姜景薫(カン・ギョンフン)サムスン電子副社長にそれぞれ懲役1年6月を言い渡し、法廷で拘束した。
2人は2013年、サムスン・グループの未来戦略室人事支援チーム主導でサムスン電子サービスの労組設立の動きをつぶすため、いわゆる「グリーン化」戦略を立てて総合状況室を設け、賃金削減や差別待遇、狙いを定めて監査するなどの弾圧行為を行ったとして起訴されていた。
同地裁は「未来戦略室から関連会社や子会社に配布された各労組戦略、非常対応シナリオ、秘密動向報告など労組つぶし戦略を標榜し、具体的に実施した方策は数知れない。李相勲議長や姜景薫副社長までもが労組つぶし実行と戦略を指示し、報告を受けていた証拠は十分ある」と述べた。同地裁はこの日、検察が起訴したサムスン・グループおよび関連会社の元幹部・現幹部ら32人のうち26人に有罪を言い渡し、そのうち7人を法廷拘束した。同日、懲役1年6月を言い渡されて法廷拘束された姜景薫副社長は今月13日、サムスン・グループのテーマパーク、エバーランドの労組つぶし事件でも懲役1年4月の実刑判決を受けたが、裁判所はこの時、防御権を保障するという観点から法廷拘束はしなかった。
しかし、未来戦略室人事支援チームでグループ全体の労使業務を総括していた姜景薫副社長は、サムスン電子サービス労組つぶし事件でも重要な役割を果たしたとして重複起訴され、結局法廷拘束を避けることはできなかった。未来戦略室はチェックリストを作成、系列会社に配布して対応態勢をチェックし、関連会社がチェックリストに基づいて労組設立の対応緊急シナリオを作成すると、これを点検して再び補完事項を指摘するなど、いわゆる「グリーン化」作業の司令塔的な役割をしていた。
同地裁は、姜景薫副社長に対し、「労組つぶし戦略の企画・実行において非常に重要な役割を果たした。別の事件で既に実刑が言い渡されている点も考慮した」と法廷拘束の必要性を強調した。李相勲議長については、「本人は知らなかった部分が多いと言うが、単に枝葉的な部分を知らなかったという理由により免責することはできない」とも述べた。
李相勲議長と姜景薫副社長以外にも、裁判所は モク・チャンギュン・サムスン電子専務に懲役1年、チェ・ピョンソク・サムスン電子サービス専務に懲役1年2月、パク・サンボム元サムスン電子サービス代表に懲役1年6月を言い渡し、全員法廷拘束した。相対的に加担程度が小さいウォン・ギチャン・サムスンカード代表、パク・ヨンギ・サムスン電子副会長、チョン・グムヨン・サムスン物産代表らは執行猶予付きの有罪判決を言い渡された。
サムスン電子は衝撃に見舞われた。業界関係者は「サムスン電子側もこうした判決が出るとは予想できなかったと聞いている」と話す。サムスン電子側は今回の判決に対する公式見解を出していない。財界では、李相勲議長が法廷拘束されたことから、サムスン電子が大きく揺らぐ可能性があると見ている。取締役会は専門経営者をけん制し、主要投資を決定するなど、サムスン電子の最高意思決定機関として機能してきた。特に李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は、解体された未来戦略室に代わって、商法に明記されている取締役会を中心とした経営へと意思決定構造を変える計画を持っている。
今年9月まで社内取締役5名だった取締役会は、今や社内取締役3人に減った。今年10月、李在鎔副会長は3年の任期が終わると、取締役再選任を放棄したが、今回の判決で李相勲議長が拘束されたため、取締役会の社内取締役はサムスン電子の各事業を担当するキム・ギナム副会長、キム・ヒョンソク社長、コ・ドンジン社長の3人だけになった。また、今回の判決で多数の幹部が有罪判決を受けたため、サムスン・グループでは大幅な人事異動を余儀なくされるだろうという見方が出ている。この日の判決が言い渡された後、全国金属労組サムスン電子サービス支会は、ソウル中央地裁前で記者会見を開き、「すべての国民がサムスンの労組つぶしの真実をはっきり確認できるよう、サムスンで労働組合を拡散していく」と述べた。
朴国熙(パク・ククヒ)記者
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191217002700882?section=news
「聯合ニュース」 2019.12.17 17:07
■サムスン電子の取締役会議長に実刑判決 労組活動妨害=韓国地裁
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は17日、子会社の労働組合の活動を妨害したとして、労働組合および労働関係調整法違反などの罪で在宅起訴されたサムスン電子の李相勲(イ・サンフン)取締役会議長に対し、懲役1年6カ月の判決を言い渡した。李被告はサムスンの「ナンバー2」とされる。実刑判決により、法廷で身柄を拘束された。
【写真】出廷する李相勲氏=17日、ソウル(聯合ニュース)
この件を巡り、検察はサムスン電子と同社の製品アフターサービス子会社、サムスン電子サービスの法人を含め計32人を起訴していた。地裁はこのうち、両社やグループ系列会社の幹部(退職者含む)など26人に有罪判決を言い渡した。サムスン電子の姜景薫(カン・ギョンフン)副社長も懲役1年6カ月の判決を受け、法廷で拘束された。
李被告らサムスン電子の幹部は、2013年にサムスン電子サービスに労働組合が結成されるとグループレベルで「労組つぶし」の戦略を立て、実行した罪に問われた。
検察の捜査により、サムスン電子とサムスン電子サービスなどの子会社は対応のためのチームや状況室を設置し、戦略を具体化していたことが判明。具体的に、強硬な労組が設立された下請け会社を廃業させて組合員を経済的に困窮させたり、組合員をターゲットにした監査を実施したりしていたという。労使交渉を意図的に遅らせていた疑いもある。こうしたことに韓国経営者総協会の関係者や情報警察が介入した事実も、検察の捜査で明らかになった。
地裁は、こうした罪の大半を有罪と認めた。
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/35288.html
「The Hankyoreh」 2019-12-19 00:11
■[社説]相次ぐ「有罪判決」サムスン、「申し訳ない」で済ませてはならない
【写真】金属労組サムスン電子サービス支部の組合員らが17日午後、ソウル瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた労組瓦解事件の判決公判後に記者会見を開き、立場を表明している。キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社
サムスンは18日、サムスン電子とサムスン物産名義の文書を通じて「労使問題によって多くの方々にご心配をおかけし、失望させて申し訳ない」と発表した。サムスン電子の子会社であるサムスン電子サービスの労組破壊事件にグループが組織的に介入したという理由で、前日にサムスン電子取締役会のイ・サンフン議長や同社のカン・ギョンフン副社長をはじめとする元・現役員が大量に実刑(1審)を言い渡されたことによるものだ。8月にはイ・ジェヨン副会長の収賄事件で最高裁の有罪判決が出され、今月にはサムスンバイオロジックスの証拠隠滅、サムスンエバーランド労組破壊事件でも有罪判決(1審)が出されている。目覚しい実績を誇るグローバル企業という名声にはまったく似つかわしくない惨憺たる姿だ。
サムスンの労組破壊事件は2013年に正義党のシム・サンジョン議員が150ページにおよぶ『Sグループの労使戦略文書』を公開し、世論をにぎわせた。二度の判決で認めたように、サムスンは労組結成の動きがあれば対応チームを作って監視し、狙い撃ち監査、解雇、偽装廃業を通じて労組破壊に明け暮れた。このような「犯罪的行動」を法廷で断罪するのに6年もかかった。検察が捜査に一度ふたをし、裏金を受け取った警察官が脱法を助けたからこそ可能だったはずだ。労働部と経総(韓国経営者総協会)も外部助力者としてふるまった。
サムスンは8月の最高裁判決直後にもサムスン電子名義の文書を出している。しかし、事件の重さにふさわしい反響を呼ぶことはできなかった。「国民にご心配をおかけし、申し訳なく思い、過ちを繰り返さないようにする」という原論的な言及にとどまった。
サムスンは今回の文書でも、「労組に対する視線と認識が国民の目線と社会の期待に達していなかった」とし、「未来志向的で健全な労使文化を確立していく」と表明している。欧州で労働組合が合法化されてから100年を優に超えているというのに、グローバル企業サムスンがようやく「労組に対する視線と認識」を反省するということを、一体どう見るべきか。安易極まりなく、本当に過ちを反省しているのか疑問を抱かせる謝罪文と言わざるを得ない。
サムスンは時代錯誤的な「無労組経営」を直ちにやめ、「労組を作る権利」を実質的に保障する方策を提示すべきだ。破壊工作の対象だった組合員に謝罪し、労組をパートナーとして受け入れる姿勢が、究極的には会社にとっても有益であることに気づくべきだ。グループの経営陣が直に反省の念とともにシステムの改善策を打ち出して、生まれ変わる努力をしてほしい。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/921312.html
韓国語原文入力:2019-12-18 17:37
https://www.afpbb.com/articles/-/3260195
「AFP」 2019年12月18日 23:44
■サムスン幹部ら、労組妨害で懲役1年半 社が異例の陳謝
【12月18日 AFP】世界最大手のスマートフォン・半導体メーカー、サムスン電子(Samsung Electronics)は18日、取締役会議長らが労働組合の活動を妨害して有罪判決を受けたことをめぐり、異例の陳謝を行った。
李相勲(イ・サンフン、Lee Sang-hoon)取締役会議長と姜景薫(カン・ギョンフン、Kang Kyung-hoon)副社長は17日、同社カスタマーサービス部門の社員らによる労組活動を阻止するため、さまざまな策略を主導していたとして、労働組合法違反で懲役1年6月の有罪判決を受けた。