樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

結実の森

2016年07月21日 | 木と鳥・動物
7月9日~10日、栃の森に行ってきました。6月は参加できなかったので2カ月ぶり。
林内では、花の種類は少なかったものの、同行の仲間が珍しいキノコ(冬虫夏草)やランを次々に発見するので、見どころの多い森歩きとなりました。
樹木は結実の季節。4月~5月に花を咲かせて虫を呼び寄せ、受粉して、子孫を増やすために実を膨らませています。今回は、花が終わって結実したばかりの樹に注目して歩いてきました。
まずは、ヤマボウシ。名前の由来になった、山法師がかぶる頭巾のような白い総苞片(そうほうへん)が落ち、本当の花だけが残って結実しています。ちいさなキノコが伸びているようで可愛いですね。



ヤマボウシの実は秋になると赤~赤紫に変化します。何度か口にしたことがありますが、種がジャリジャリするものの、マンゴーのような食感で、ほのかに甘いです。
次はサワフタギ。5月には白い綿のような花が満開でしたが、2カ月後には黄緑色の実になっていました。秋になると、「ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)」と呼ばれるような鮮やかな紫色に変化します。



次の実は、ミズキ。この樹も、5月には綿のような小さな白い花をいっぱい付けていましたが、ご覧のように黄緑色の実に変化しています。秋になると、実は黒く、果軸は赤く変色します。その2色効果で鳥を呼び寄せる、という学者もいます。



ナナカマドも黄緑色の実を鈴なりにつけていました。この樹も花は白ですが、実は秋になると真っ赤になります。



こうやって並べてみると、花は白→結実は黄緑色までは共通していますが、秋の実の色は赤や紫、黒と多彩です。何故だろう? 
白い花が多いのは昆虫を集める効果でしょうが、実の色が多様なのは、呼び寄せる鳥を選別するためでしょうか?
以前、木の実の色と鳥の関連を調べましたが、そういうことは書いてなかったな~。誰か、実の色と鳥の種類の相関関係について研究していないのかな。
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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2016-07-26 13:02:55
こんにちわ
ミズキの実は低いところにあるのを写真に撮れたのですね。
私がいつも行くところでは高いところにしか咲かないので花や実の写真がなかなか撮れません。
一方でミズキは幼木がたくさんあるので、そのうちそれらが咲いて写真撮れないかなと狙っています。

幼木がたくさんあるということは、鳥たちがたくさん食べて散布しているということなのでしょうね。
しかしそれにしてもミズキは実のなる成木の少なさ(把握している限りでの話ですが)の割に幼木が多いので、スタート時点で育ちやすい木なのかな、と思っています。
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この森には (fagus06)
2016-07-27 08:02:19
ミズキの成木が割りに多くあります。
多少のアップダウンがある地形なので、谷側に生えている木は撮れます。また、私は鳥を撮影するために望遠レンズ(300mm)をセットしたカメラを三脚付きで持ち歩いているので、遠くの木も撮れます。
三脚が重くて持ち歩くのが辛いですが、いつ鳥が現れても動画が撮れるようにと思って。
そちらでミズキの幼木が多いということは、入れ替わりの時期なんでしょうか。いずれにしても、鳥が散布しているわけですから、鳥も多いということですね。
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