樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

樹木が果たすもう一つの防災機能

2015年07月16日 | 木と防災
週末、例によって栃の森に行ってきました。
先月はツルアジサイがたくさん咲いていましたが、今月の森の主役はイワガラミ。名前は「岩絡み」ですが、栃の森では「木絡み」と呼びたいほどあちこちの樹木に巻きついています。
ツルアジサイとイワガラミは同じアジサイ属のツル性木本。どちらも新芽を揉むとキュウリの匂いがするらしいので、ツルアジサイの葉をちぎって試してみましたが青臭いだけ。しかし、葉柄をちぎって鼻を近づけると、確かにキュウリの匂いがしました。
匂いの成分は青葉アルコールやキウリアルコールで、虫やカビを防ぐ作用があるそうです。


ツルアジサイは装飾花が4弁(6月撮影)

実際に山里では新芽をさっと茹でて和え物にしたり、揚げ物にして食べるそうです。
江戸時代、米沢藩主の上杉鷹山は144種類の救荒植物、つまり飢饉のときに食べる植物を普及させたそうですが、その中にツルアジサイとイワガラミも含まれていたとのこと。キュウリの代用食品になったのでしょうか。
そういえば、日本では実の成る木を街路樹に植えて飢饉の際の食糧にしたという話を本で読んだことがあります。海外でも、例えばシルクロードの街路樹にクワの木を植えて救荒食にしたようです。


イワガラミは装飾花が1弁(7月撮影)

当ブログでは「木と防災」というカテゴリーを設けて、樹木の防火や避雷、耐震などの能力をご紹介してきましたが、緊急用食糧という側面でも木は人間に貢献してきたわけです。
さすがに現代の日本で救荒食は不要ですが、災害時の非常食は必要です。わが家には1週間分が備蓄してあるようです。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最後の一羽 | トップ | 出世の木 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (guitarbird)
2015-07-18 07:39:22
おはようございます
確かに山を歩いていて、食べられるものは食べられるとして覚えておくと食糧危機の際には役立つ、とは考えますね。
ツルアジサイは幼木をかなり見かけ、若芽を食べられるのは知っていましたが、きゅうりなんですか・・・
実はきゅうりは嫌いなので、食べることはないかな(笑)、それこそ食糧危機にならないと。

食料備蓄ですが、缶詰はなんやかんやで40個くらいはいつもあります。
缶詰は普段、もう1品何かおかずが欲しい時に割と食べるので、防災以前によく利用しています。
返信する
キュウリは (fagus06)
2015-07-18 07:55:19
お嫌いなんですか。ということは、カッパ巻きもダメなんですね。
缶詰が40個あれば、当面は大丈夫ですね。わが家にも缶詰やお湯の要らないレトルトカレーとか、いろいろ備蓄されています。時々、賞味期限が切れそうな備蓄食品を食べさせられます(笑)。
災害といえば、昨日の台風11号で関西は思いのほか被害が大きくて、現在もJRや高速が止まったり、京都市内や宇治市内でも避難勧告が出ています。
今のところわが家の周辺は影響はないです。
返信する
Unknown (guitarbird)
2015-07-18 08:30:45
ふたたびですが、ご自宅の周辺は影響がないということでよかったです。
それでも避難勧告が出るほどだったのですね、引き続きお気をつけください。

きゅうり、はい、そうなんです・・・
恵方巻もですが、太巻きに必ず入っているのは抜いて食べています・・・
たまにスーパーの惣菜のサラダを買うと入っていますが、あまりに細かすぎるものはよけられないので仕方なく食べています。
あの香りが苦手でして・・・
多分ですが、私はスイカが大好きで、小さい頃にスイカの皮に近い赤くない部分を食べてしまってきゅうりみたいな風味だったのが嫌で、きゅうりを嫌いになったのだと思います(笑)。

賞味期限切れのをたまに食べるということですが、常に意識しておられるのはいいことですね、見習いたいです。
返信する
台風11号は (fagus06)
2015-07-19 08:14:42
広範囲に影響を及ぼしたようで、関西のJRはほとんど止まっていました。私鉄はそうでもなかったですが…。
用があって京都市内に出かけましたが、鴨川が茶色い濁流になっていました。

そうですか、キュウリ嫌いのきっかけはスイカですか。私もスイカの皮を食べないように注意します(笑)。
返信する

コメントを投稿

木と防災」カテゴリの最新記事