樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

地震を予知する木

2008年09月22日 | 木と防災
阪神淡路大震災が発生したのは1995年1月17日の早朝。私はその前の14日から仲間4人で九州へ鳥見旅行に出かけ、16日の夕方に新幹線で帰ってきました。半日違いで地震に遭遇しているところでした。しかも、仲間の一人が消防団員のこともあって、車中では「そろそろ大きな地震が…」という話をしていたのです。
地震の前日、兵庫県のある池にいた水鳥がすべて逃げたという話を聞きました。私たちが地震の話をしたのは単なる偶然ですが、野生動物には地震予知能力があるみたいですね。

       
                (地震を予知するネムノキの葉)

動物だけでなく、樹木も地震を予知するそうです。樹の幹とその周辺の地面に電極を刺し込み、その電位の差を観測していると地震前に大きな変化が現れると言います。
観測に使われるのはネムノキ。そのほか、電磁波を遮断するヤニがなく、根をしっかり張るケヤキやキンモクセイ、クワ、カエデなどでも観測されています。
実際に、宮城県沖地震では55時間前に電位が大きく変化して予知に成功。そのほか、2003年9月26日の十勝沖地震では、札幌で観測中のネムノキが1ヶ月ほど前から異常な電位を示していたそうです。また、根室半島沖や東海道沖の地震を予知し、予報を出して的中させたグループもあるようです。

       
               (電極を差し込むネムノキの幹)

樹木による地震予知を研究しているのは東京女子大学の名誉教授、鳥山英雄博士。この先生によると、マグニチュード5以上または震度5弱以上の地震ではかなりの確率で先行現象がキャッチできるので、観測地点をさらに増やし、他の電磁波現象と並行して観測すれば実際的な地震予知に役立つそうです。
地震は地殻変動が原因ですから、地中に根を張っている樹木がそれを予知できるのはもっともな話ですね。
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4 コメント

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うちにもあります (guitarbird)
2008-09-25 20:00:35
こんばんわ
ネムノキはうちにもありますが、まだ20年経ってないくらいで
観測には使えないかもしれません・・・
でも興味深い話ですね。
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そんなことができるんですか! (scops)
2008-09-25 22:12:12
すごいですね~

我が京都も、地震がそろそろ起こるといわれて久しいです。今から植えても間に合わないかもしれないけど、ある木を利用して実践して欲しいですね。
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guitarbirdさんへ (fagus06)
2008-09-26 08:34:46
一般的にはまだ知られていませんが、樹木による地震予知に関心を持つ人がネットワークを組織して、全国で観測しているようです。
guitarbirdさんも庭のネムノキが大きくなったら、電極を差し込んで観測されたらどうですか?
でも、ネムノキって、成長すると枝が大きく広がるから、邪魔になるかも知れませんね。
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scopsさんへ (fagus06)
2008-09-26 08:38:38
私もこれを知った時に、「そんなことができるの?」と思いました。自然界にはまだまだ人間の知らないことがたくさんあるということでしょう。
京都では伏見に観測地があるようです。ボランティアで観測している人たちがネットワークを作っているみたいですね。
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