樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

学園の木陰

2007年04月23日 | 木と歌
昨夜、NHKの「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」で、札幌の中学校の校庭に残っているハルニレの樹が紹介されました。guitarbirdさんのブログでも予告されていたので、しっかりチェックしました。
そして、以前に書き溜めながらお蔵入りにしていた記事をアップすることにしました。校庭の真ん中にある巨木でモモンガやオシドリが繁殖するという心温まる番組内容とは全く違って、アホらしい記事ですが

私が中学生の頃、「学園もの」と呼ばれる歌謡曲が流行しました。最大のヒット曲は『高校三年生』。舟木一夫が「♪赤い夕陽が校舎を染めて ニレの木陰に弾む声~」と歌っていました。そして、樹木に関心を持って以来、「あのニレはどんな樹だろう?」と気になっていたのです。
日本でニレと名がつくのは、ハルニレかアキニレ。番組でも紹介されたようにハルニレは主に北海道など寒い地方に分布していますが、本州以南の学校で植栽に使うことはまずないでしょう。

   (ハルニレの葉は大きいのでしっかり木陰を作ります)

アキニレはうちの近所にもあります。まだら模様の樹皮が面白い樹ですが、葉っぱが小さいので、歌にあるような木陰を作るにはふさわしくない樹です。夏に涼しい木陰を作ることが街路樹や公園樹の選定理由の一つですから、アキニレは植栽には使わないはずです。

   (アキニレの葉は小さいのでまばらな木陰になります)

『高校三年生』で歌われた「ニレの木陰」はハルニレでもアキニレでもない。とすれば、何の樹? 私はケヤキではないかと考えています。ケヤキはニレ科の中で最もポピュラーな樹で、街路樹や公園などにもよく使われます。

    (『高校三年生』で歌われた「ニレの木陰」はケヤキの木陰?)

放送されたような北海道の学校ならハルニレがあっても不思議ではありませんが、『高校三年生』で歌われたニレはケヤキ。私は勝手にそう断定します。
どっちでもいいですね(笑)。写真は、こんなショーモナイ記事を掲載するために、昨年の夏にわざわざ京都府立植物園へ行って撮影したものです
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2 コメント

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ショーモナイだなんて (guitarbird)
2007-04-25 07:51:08
おはようございます、guitarbirdです
ご紹介ありがとうございます。
私は逆にアキニレを見たことがありません。
あ、いや、あるかもしれないですが。
上野不忍池に行った記事を上げましたが、そこにあった木は、
こっちにもあるトチノキとネットで知ったモミジバフウ
しか分かりませんでした・・・
話は逸れましたが、こういう考察は私は大好きです!
あの歌の鳥はなんだろう、とか、考えたりもします。
にれといえば「楡家の人々」を一度読んでみたいと思っています。
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ありがとうございます (fagus06)
2007-04-26 08:12:35
ずーっと前から用意していた記事でしたが、読む人には「どっちでもいいかな」と思ってお蔵入りにしていました。でも、ハルニレの校庭の番組を見て、やっぱり北海道の学校にはハルニレがあるんだ、と思って急遽アップしました。
あの学校の初代の校長の英断で、いいものが残りましたね。野球部などには邪魔かも知れませんが…。
アキニレは北海道には分布しないのですかね。こちらは、ハルニレは植物園に行かないと見られないです。
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