ミズナラが次々に枯れる「ナラ枯れ病」が日本各地に蔓延しています。カシノナガキクイムシという虫が原因です。私のメインフィールド「栃の森」でも被害が広がり、ついにコース最大のミズナラにもこの虫が入ったようで、小さな穴から粉のような木屑が落ちていました。
(このミズナラの巨木ももうすぐ枯れて倒れるのか・・・)
被害を防ぐために薬剤を散布している地方もあります。日本野鳥の会京都支部でも、薬剤散布で防ぐべきか、天然更新という長いスパンで見て放置すべきかが問題になりました。私は当初は単純に防虫対策を講じるべきだと思っていましたが、少し調べてみると、広範囲での効果に疑問があることや、根本的な解決にならないという意見、税金のムダ使いという声もあって、簡単には判断できません。
樹齢数百年の巨木が朽ちていくのを見ると「何とかできないか」と思いますし、一方で薬剤という人工物で自然の変異を止めていいのかという疑問もあります。
(ミズナラの葉は深いギザギザが特徴)
このミズナラに関して、若山牧水という歌人が怒りの歌を残しています。
牧水はある山道で、根元の樹皮がはがされて立ち枯れになった多数のミズナラを目撃します。建築材としてカラマツを植林するためにミズナラを駆逐するのですが、チェーンソーのない昔は伐採が大変なので、樹皮をはぎ取って水分を断ち、ミズナラが枯れて自然に倒れるのを待つのです。その光景に対する怒りを、牧水はいくつかの和歌にしました。
落葉松(カラマツ)の 苗を植うると 神代振る
古(ふ)りぬる楢を みな枯らしたり
楢の木ぞ 何にもならぬ 醜(しこ)の木と
古(ふ)りぬる木々を みな枯らしたり
片や自然界の虫による倒木、片や植林のための倒木という違いはありますが、人間にとっての矛盾を抱えている点で共通しています。朽ち果てる無残な樹を目前にすれば怒りの感情が湧いてくる一方、天然更新とか林業という観点から理性的に考えれば「しょうがない」とも思えます。
また、樹の皮をはいで枯れ死させて伐採するという方法は、見た目は残酷ですが、人間の知恵とも言えます。
私はナラ枯れ病について詳しい知識を持っていませんが、現在は理性的に考えるようになりました。
(このミズナラの巨木ももうすぐ枯れて倒れるのか・・・)
被害を防ぐために薬剤を散布している地方もあります。日本野鳥の会京都支部でも、薬剤散布で防ぐべきか、天然更新という長いスパンで見て放置すべきかが問題になりました。私は当初は単純に防虫対策を講じるべきだと思っていましたが、少し調べてみると、広範囲での効果に疑問があることや、根本的な解決にならないという意見、税金のムダ使いという声もあって、簡単には判断できません。
樹齢数百年の巨木が朽ちていくのを見ると「何とかできないか」と思いますし、一方で薬剤という人工物で自然の変異を止めていいのかという疑問もあります。
(ミズナラの葉は深いギザギザが特徴)
このミズナラに関して、若山牧水という歌人が怒りの歌を残しています。
牧水はある山道で、根元の樹皮がはがされて立ち枯れになった多数のミズナラを目撃します。建築材としてカラマツを植林するためにミズナラを駆逐するのですが、チェーンソーのない昔は伐採が大変なので、樹皮をはぎ取って水分を断ち、ミズナラが枯れて自然に倒れるのを待つのです。その光景に対する怒りを、牧水はいくつかの和歌にしました。
落葉松(カラマツ)の 苗を植うると 神代振る
古(ふ)りぬる楢を みな枯らしたり
楢の木ぞ 何にもならぬ 醜(しこ)の木と
古(ふ)りぬる木々を みな枯らしたり
片や自然界の虫による倒木、片や植林のための倒木という違いはありますが、人間にとっての矛盾を抱えている点で共通しています。朽ち果てる無残な樹を目前にすれば怒りの感情が湧いてくる一方、天然更新とか林業という観点から理性的に考えれば「しょうがない」とも思えます。
また、樹の皮をはいで枯れ死させて伐採するという方法は、見た目は残酷ですが、人間の知恵とも言えます。
私はナラ枯れ病について詳しい知識を持っていませんが、現在は理性的に考えるようになりました。
だとすると、この現象が倒木更新などの自然の姿とはいえないような気もします。
薬に大きな効果が期待できないとすれば、どうすればいいのでしょう?
いい方法が見つかるといいですね。
温暖化の影響は山だけじゃなくて海にも出ているようで、南の魚やヒトデが北の海に進出しているというニュースを見ました。
同じようなことがあちこちで発生しているようです。
遠征中に上がっていたのですね、遅くなりました・・・
これは虫がもたらすものなのですね。
きのこの図鑑を見ると、菌類でもミズナラにつくのがあって、
それはこちらでも見たことがあります。
ですが、次々と枯れる、というのは見たことがありません。
札幌では、胸高直径1mくらいあるハルニレが保存されている木がありますが、
よく見ると「治療」した跡がたくさんあって、満身創痍という感じに
どうしても見えてしまい、ある意味かわいそうな気もします。
だから、自然に枯れるのは、仕方ないのかな、と。
しかし一方で、ほんとに自然なのか、というのも
分からない部分はありますね。
人と自然の間に起こる問題は、なんであれ、難しいものですね。
ひどい事にはヘリコプターで山全体に殺虫剤を散布するのですよ。赤松林はマツタケの生息地、その他にもアミタケなども生えます、山菜だって採れます、殺虫剤がかかったマツタケなんていただけません。
それから、この事業がヘリの会社と製薬会社を儲けさせるだけの様な気がします、効果も疑問視されているのも事実ですし違う方法があるのではないでしょうか。
しかしミズナラの病気は初めて聞きました。困ったものですね。
日本のような農地と人家が接近している国で、どこに飛散するか分からない方法で農薬を散布するというのは恐ろしい話です。
ナラ枯れ病に対してヘリコプターによる薬剤散布が行われているかどうかは知りません。私のフィールドでは、カシノナガキクイムシが運ぶ菌に対抗する菌を樹体に注入するという方法がとられているようです。次々にやられているので、効果は疑問ですが・・・。