久しぶりにいい本に出合いました。ドイツの森林管理官が書いた『樹木たちの知られざる生活』。
本国でベストセラーになり、アメリカでもワシントン・ポストが「樹木に対する愛の告白であり、木々の生態へのこの上なく興味深い入門書」と絶賛したとか。当ブログの「樹と水」に書いた吸水の謎もこの本の受け売りです。
木の本はこれまでにもたくさん読みましたが、その多くは植物学者によるもので、科学的な知見が記してありました。一方、この本には森林管理官として長年森を観察し続けた経験から生まれる樹木への愛情がにじみ出ていて、その実感を言語化しているので、読んでいるとフワ~とした気持ちになります。
例えば、落葉を次のように比喩します。「樹木にとってはトイレをすませる機会でもある。私たちが夜寝る前にトイレに行くように、樹木も余分な物質を葉に含ませて体から追い出そうとする」。
科学的な知見も随所にあり、それがドイツやヨーロッパの最新の研究成果なので新鮮。例えば、樹木は香りを発することでお互いにコミュニケーションしている、地下に張り巡らされた根と菌のネットワークよってお互いを助け合っているなど、驚くべき記述に出くわします。
当ブログの「紅葉の不思議」で紅葉の仕組みをご紹介しましたが、この著者は「なぜ紅葉するのか?」まで突っ込みます。理由の一つは、害虫に対する警告。黄葉や紅葉によって「私は健全だから寄生してもムダよ」と虫にアピールしているのだそうです。
さらに、「そもそも広葉樹はなぜ落葉するのか?」まで掘り下げ、雪や樹氷の重みで枝や幹が折れるのを防ぐためと書いています。常緑広葉樹が南に、落葉広葉樹が北に分布する理由も納得できます。
もう一つ驚いたことに、ドイツの憲法には「動物、植物、およびほかの生命体を扱うときは、その生き物の尊厳を尊重しなければならない」と書いてあるそうです。環境先進国といわれる由縁でしょう。日本の憲法にも世界に誇れる条文がありますが…。
樹木を見る私の目のウロコを剥がしてくれる本でした。
本国でベストセラーになり、アメリカでもワシントン・ポストが「樹木に対する愛の告白であり、木々の生態へのこの上なく興味深い入門書」と絶賛したとか。当ブログの「樹と水」に書いた吸水の謎もこの本の受け売りです。
木の本はこれまでにもたくさん読みましたが、その多くは植物学者によるもので、科学的な知見が記してありました。一方、この本には森林管理官として長年森を観察し続けた経験から生まれる樹木への愛情がにじみ出ていて、その実感を言語化しているので、読んでいるとフワ~とした気持ちになります。
例えば、落葉を次のように比喩します。「樹木にとってはトイレをすませる機会でもある。私たちが夜寝る前にトイレに行くように、樹木も余分な物質を葉に含ませて体から追い出そうとする」。
科学的な知見も随所にあり、それがドイツやヨーロッパの最新の研究成果なので新鮮。例えば、樹木は香りを発することでお互いにコミュニケーションしている、地下に張り巡らされた根と菌のネットワークよってお互いを助け合っているなど、驚くべき記述に出くわします。
当ブログの「紅葉の不思議」で紅葉の仕組みをご紹介しましたが、この著者は「なぜ紅葉するのか?」まで突っ込みます。理由の一つは、害虫に対する警告。黄葉や紅葉によって「私は健全だから寄生してもムダよ」と虫にアピールしているのだそうです。
さらに、「そもそも広葉樹はなぜ落葉するのか?」まで掘り下げ、雪や樹氷の重みで枝や幹が折れるのを防ぐためと書いています。常緑広葉樹が南に、落葉広葉樹が北に分布する理由も納得できます。
もう一つ驚いたことに、ドイツの憲法には「動物、植物、およびほかの生命体を扱うときは、その生き物の尊厳を尊重しなければならない」と書いてあるそうです。環境先進国といわれる由縁でしょう。日本の憲法にも世界に誇れる条文がありますが…。
樹木を見る私の目のウロコを剥がしてくれる本でした。
感動なさった様子がうかがえる良いご本でしたね。
コミュニケーション、人にはまだ分からない何かで通じ合っている、私もそう感じたいです。
アブラムシが寄ってくるのも、天敵のテントウムシを呼ぶのも信号が有るらしい、そんなのを読んだ記憶はあります。
そちらの庭(妻いわくジャングル・笑)でも、樹や草がいろいろコミュニケーションしているんでしょうね。
この本が気に入ったので、同じ著者が出した続編(今度は動物)も買って、いま読んでいます。