樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

わが家の大名

2006年05月19日 | 樹木
写真の葉っぱは、わが家の庭のカシワです。
この木を一般の庭に植えることはほとんどないらしく、植木屋さんに頼んでも手元になくて、数ヵ月後「群馬県から取り寄せました」と言って持ってきてくれました。
そこまでして欲しい木でもなかったのですが、宇治市の植物園で見たとき、葉っぱの形やつきかたが面白かったので「うちの庭にもぜひ」と思ったのです。
柏餅を作るつもりはありませんでした。
          
カシワの葉は、秋になって枯れても落葉しません。クヌギの葉もそうですが、未練がましくいつまでも枝にへばりついています。
その姿を「いとおかし」と感じる感性もあるようで、清少納言は『枕草子』の中で「柏木いとおかし 葉守の神のいますらむもかしこし」、葉を守る神様が宿っているようで畏れ多いと書いています。
当時は、「いつまでも葉が落ちないから縁起がいい」と解釈されていたようですが、わが家では「いつまでも汚らしい」と不評です。

このカシワ、英語で daimyo oak と言うそうです。
わが家の大名様は、はるばる群馬県からお越しになったのに、狭い庭で窮屈そうにしておられます。「余は不満足じゃ」という声が聞こえてきそうです。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いやあ、勉強になります (scops)
2006-05-20 00:31:14
清少納言はそう言いましたか・・・

昔の人ってなんにでも畏怖の念を持ちますが、そういう感覚って結構好きです。



daimyoの由来も気になりますね。面白い話が隠れているかも・・・
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昔の人の自然への感覚と (fagus06)
2006-05-20 17:57:13
現代の私たちの感覚との違いを知るのは面白いですね。理解できないこともありますが、びっくりすることも多いです。



scopsさんのようなコメントをいただくと励みになります。大名の由来はまだ把握できていません。また調べます。



歴史ネタも少しずつご披露しますので、また見にきてください。

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daimyo oak (woodyowaku)
2006-05-22 06:04:30
 カシワの英名がdaimyo oakとは初めて聞きました、なかなか面白いですね、私の住んでいる岩手県ではこの柏にはお目にかかれませんが「ナラガシワ」なら会う事が出来ます。興味深い話を有難うございました、また寄らせてもらいます。
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ナラガシワは (fagus06)
2006-05-22 11:14:21
ミズナラとカシワの交配種のようですね。ミズナラはヨーロッパでは「森の王様」と呼ばれているらしく、近縁種のカシワが「大名」になったのも、その辺に理由があるのではないかと、勝手に思っています。



woodyowakuさん、コメントありがとうございます。まだ始めたばかりの若葉のブログですが、これからも寄ってください。
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