樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

森に春が来た

2018年05月10日 | 樹木
連休前半、約半年ぶりに栃の森へ行ってきました。毎年4月末は雪が残っていますが、今年はすっかり消えています。植物の季節もいつもより進んでいるようで、樹の花がたくさん楽しめました。
まず、ウスギヨウラク。林道脇のあちこちで咲いています。名前のとおり「薄黄」色だけでなく、写真のような赤味のある株もいくつかありました。



林内に入ると、サワグルミの花もすでに垂れ下がっています。緑色のが雄花、赤いのが雌花。結実しても食べられませんが…。



事情があってこの森を正式名ではなく、勝手に「栃の森」と呼んでいますが、それはトチノキが多いから。樹齢数百年の巨木から数十年の若木まで、一斉に展葉していました。枝先の芽は葉と花が同時に展開するようです。



林床に黄色い細かな花がたくさん落ちているので「何かな?」と思って見上げると、イタヤカエデがいっぱい花をつけていました。カエデの中で葉に鋸歯がないのはイタヤカエデの仲間です。



ブナもたくさん花をつけていました。2年連続して開花することはないそうですから、今年はクマにとっては食糧が豊富なようです。



今回、カラスシキミが目立ちました。京都府では準絶滅危惧種。シカが忌避するので増えつつあるのかもしれません。



このコースを訪れたのは昨年10月。その後、何度か豪雨に見舞われたため、林道や林内は倒木が多かった。いつものキャンプサイトの手前も写真のとおり。しかたなく、200mほど手前でキャンプしました。



林内も倒木で荒れていて、迂回したり、乗り越えたり大変でしたが、それも自然の営み。100%天然ならではのこの森の魅力です。


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4 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2018-05-10 11:29:42
ウスギヨウラクの名前は初めてです。ツリガネツツジで拝見していました。可愛い花です。
サワグルミの花も賑やか、良い雰囲気です。トチノキの花やベニバナトチノキの花も拝見しています。
イタヤカエデの花も可愛いですね。カラスシキミの名前も初めてです。ミヤマシキミは拝見しています。かなり似てるようですね。シキミは有毒、良い香りの花です。同じ仲間で有毒なのですね。
大きな倒木です。根元の土が洗い流されたのでしょうか。深い森に行かれたのですね。
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こんにちは (ヤスコ)
2018-05-10 18:40:17
去年10月の台風ではいろんな場所で被害が
あったようですね。
先日、近場へお山歩きに行ったのですが、
通行禁止にこそなっていませんでしたが、
いたるところに倒木があってビックリしました。

ブナの花が2年連続で開花しないというのを
知りませんでした。
植物も好きなので勉強になります。
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kazuyo様 (fagus06)
2018-05-11 07:13:03
ウスギヨウラクは多分ツリガネツツジと同じ仲間ですね。うちの庭ではドウダンツツジが咲きましたが、これも同類でしょう。
ベニバナトチノキは街路樹などに植えられていますね。たしか、パリのマロニエも同じ仲間だったと記憶しています。
この森は「関西の秘境」と呼ばれている原生林なので、いろいろ新しい発見があって面白いです。
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ヤスコ様 (fagus06)
2018-05-11 07:16:47
コメントありがとうございます。
この森も倒木や崩落があちこちにありました。台風や豪雨のすごさをあらためて知りました。
私たちが歩いているコースはトチノキやブナが多いです。ブナは成り年があるようで、たくさん実が成るとクマは里に降りて来ないとも言われています。
まあ、クマが食べているのはブナの実だけではないでしょうが…。
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