樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

楢と柏

2013年09月05日 | 樹木
雑木林のような庭にしたくてコナラを2本植えました。その後、関西の雑木林では見かけませんが、葉の出方が面白いのでカシワを1本加えました。
このコナラとカシワ、そして同じくブナ科の落葉樹ミズナラとナラガシワは名前も葉の形もよく似ています。下の写真は左からコナラ、ナラガシワ、カシワ。ナラガシワは森林総研関西支所の樹木園でいただきました。



大きさに差はありますが、シルエットが類似しています。
ややこしいことに、これらのグループは親和性が高いためにハイブリッドが生まれやすく、似たような樹木があちこちで発生しているようです。
例えば、上の3種からは以下のようなハイブリッドが生まれています。
コナラ×ナラガシワ→オオバコナラ
ナラガシワ×カシワ→ホソバガシワ
コナラ×カシワ→コガシワ
これにミズナラが加わると、さらにややこしくなります。


ミズナラの葉(栃の森で撮影)

ミズナラと上の3種のハイブリッドは以下のとおり。
ミズナラ×コナラ→ミズコナラ
ミズナラ×ナラガシワ→ナラミズガシワ
ミズナラ×カシワ→カシワモドキ
もう、何が何だか分からない、名前も覚えられない混沌に陥ります。
私はフィールドでこれらのハイブリッドを見たことはありませんが、ただ気づかないだけかも知れません。
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4 コメント

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Unknown (guitarbird)
2013-09-05 10:32:47
こんにちわ
私もハイブリッドは見たことがないですが、やはり気づかないだけかもしれません。
ただ、こちら、コナラは札幌近辺が北限に近くてないところにはなく、カシワは山にはないので、私がいつも見るのはミズナラです。

ところで、ミズナラは家のお近くにはないのですか、葉っぱを用意されておられないのでそう思いました。
よろしければ、庭のミズナラのドングリを贈りますので、育ててみませんか(笑)。
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ミズナラは (fagus06)
2013-09-06 07:28:37
こちらでは平地にはないですね。栃の森でも、林道にはコナラ、森の中に入るとミズナラという感じでエリアが分かれています。
ある程度、温度が低い場所でないとミズナラは自生しないようです。
カシワも自生は見たことないです。私は植木屋さんに探してもらって植えました。
庭にハイブリッドが生まれるとややこしいので、これ以上ブナ科の落葉樹は植えないでおきます(笑)。
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懐旧のカシワ山林 (ラスト・ソウルマン)
2019-01-08 05:05:09
30代までは、北海道東部に在住していました。楢属の生育の盛んな地域ですが、樹種はカシワとミズナラだけです。北見市の緑ヶ丘霊園の一帯は、南西にカシワ林が自生しており、晩秋の頃の燃え立つような紅葉は、それは見事な物でありました。楓種の、朱色を基調とした色合いとは違って、オレンジ色を濃厚にした色の色調です。荒々しい黒色の幹肌がうねって生えていると云った感じのカシワが何百本植生しているのか、ダイナミックな紅葉林に感動したものです。北見市の北西部には柏木地区があります。緑ヶ丘程の広さはありませんが、まとまったカシワ林が素敵な山林でした。これらの山林は現在どうなっていますか。あれから、25年の年月が経過しています。
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ラスト・ウルトラマン様 (fagus06)
2019-01-08 07:41:00
コメントありがとうございます。
北海道にはカシワの自生林があると聞いていましたが、北見市のことだったのですね。
一度見てみたいものです。
わが家のカシワは現在、褐色の葉をつけたまま、時々風に揺られてカサカサと音を立てています。
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