樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

禽将棋

2013年09月02日 | 野鳥
ほとんどの方がご存知ないと思いますが、将棋の一種に「禽将棋」というゲームがあります。駒の名前がすべて鳥という、バードウォッチャーにとってはうれしい将棋です。
図のように、盤のマスは7×7。将棋の「王将」に相当するのが「鵬(おおとり)」、「金」や「銀」に相当するのが「鶴」、そのほか「雉」と「鶉」と「鷹」が並び、「歩」に相当するのが「燕」です。



「王将」と同じく「鵬」は全方向に1マス動けます。また「燕」も「歩」の動きと同じく前へ1マスのみ。その他の駒も種類ごとに独自の動きができますが、将棋の動きとは異なります。「鶉」は右と左で動きが違うのも特徴。
成駒もあります。例えば、「燕」が相手の陣地に入ると「隼」に成り、動き方も変わります。面白いのは「鷹」が相手陣地に入ると「(クマタカ)」に成ること。
禽将棋は江戸時代の将棋の名人が考案したそうですが、当時からタカの中でもクマタカは別格扱いされていたということですね。
下は今年の5月に某所で目撃したクマタカ。



禽将棋の存在は私も全く知らなかったのですが、『世界のゲーム事典』によると、1980年代にイギリスで「Tori Shogi」のセットが売られていたとのこと。ネットで調べるとアマゾンで盤と駒のセットを売っています。
私はこういうゲームに関心がありませんが、興味のある方は検索してみてください。
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8 コメント

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re.禽将棋 (長さん)
2013-09-03 11:47:24
燕の成りは、隼ではなくて雁のようです。
持駒ルールもあり、2燕ではなくて、3燕が
禁止手という将棋。これは、3筋目に2つ燕を
置かないと、後手必勝になるのでそうしたら、
「2燕」を禁手にできなくなった為でしょうね。
また、燕の成りの雁に、「と金」のような高い
価値が無い(はっはり言って、使いにくい)のが、
なんとも謎(ルールが間違って、現代に伝わっ
たか?)の将棋のようです。
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Unknown (guitarbird)
2013-09-04 06:01:39
おはようございます
私もゲームはしないですが将棋は昔から好きです。
が、これが徹底して弱い・・・
これはモノとして面白いので買うだけ買おうかと思いました。
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長さん様 (fagus06)
2013-09-04 07:47:01
コメントありがとうございます。禽将棋を実際にプレイされたことがあるのですね?
燕の成りについて、。『世界のゲーム事典』には「燕がプロモートすると隼」とあったのでそう書きましたが、ネットで調べたときは雁とありました。やはり雁ですか。
私は将棋はほとんど経験がないのですが、禽将棋は盤が狭くて、空いているマスも少なくて、窮屈そうな将棋だなと思っていました。
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guitarbirdさんへ (fagus06)
2013-09-04 07:49:41
私は子供の頃から挟み将棋くらいしかしませんでした。本将棋しても弱いので、自然とやらなくなりました。
アマゾンで売ってますから、ぜひ買ってください。禽将棋なら強くなれるかもしれませんよ(笑)。
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re.私の禽将棋の相手 (長さん)
2013-09-05 14:41:51
はい。コンピュータと指してます。
実は窮屈感が出るのかどうかには、初期配列での、鵬周りの「侍従駒」の配置が、関係するんですよ。この将棋では鵬の前に鷹が居るので、朝倉象棋のような攻防になっているような気がします。鵬をどう移動して囲いの型を何にするのかが問題になるケースよりも、鷹と鶴の守りが味方の鵬に、単純に有るのか無いのかに、注意しながら指すタイプの、将棋という事かと思います。つまり鵬の移動の為、味方の他の駒を移動して退かす手を、この将棋では余り指さないので、窮屈感の、余り出ない将棋と言う事ですね。逆に窮屈感を出すには、初期配列の鷹の位置に、隣接味方駒への防御能力の弱い、和将棋の「燕羽」あたりを配置すると、ゲームの欠陥が、よりはっきり現れるのかもしれません。
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パソコンに (fagus06)
2013-09-06 07:23:47
禽将棋が入っているわけですね。なるほど。
詳しいご説明、ありがとうございました。
この将棋があまり一般的にならないのは、やはりどこかに欠陥があるからですね。
私は将棋のことは詳しくは分かりませんが、考案者がなぜこの鳥の種類を選んだのかが気になります。
「燕」は、動きからすると「雀」の方が合っているように思いますし、「鶉」も唐突な気がします。
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多数の種類の駒を分類しました。 (長さん)
2013-09-06 10:23:13
今の40枚制の将棋には、鳥関連駒は無いのですが。
鎌倉時代末期の頃には、「将棋とは合戦の模型のようなものであり、種類は多数。小さいタイプの物は36枚の獣の名前のついた駒を含んだゲームの平安小将棋。大きい複雑なゲームは、1年の日数ほどの大きな将棋盤。すなわち、囲碁盤に行列をもう一つ加えて、19×19升目の中に、駒を置くようにしたもの。つまり、少なく見積もっても総駒数100枚は超える、駒でするゲームである。」と、当時の教科書で、説明されるような物でした。鳥の名前まで使わないと、駒の名前は足りなかったようですね。「鷲」「鷹」「鳳凰」「(朱)雀」「鶏」「鶴」程度の駒が、恐らくその頃、既に有ったものと想像されます。禽将棋は、江戸時代の作ですが、鎌倉時代からの伝統で、身近な鳥の駒は何でも使って作ってよい、という雰囲気が生まれるのは、我が国では自然の流れだったんですね。作者は軽い気持ちで、鳥の名前だけで、ひと塊の将棋を作ってみようとしたのだと思います。なお、動き方ではなく、大きさに駒の動きの程度を合わせたのは、作者個人の趣味かと。ちなみに「雀」は、俗に和将棋の歩兵の名前ですね。(正式には、萑歩と、「草のように多い駒」の意の名前。萑と雀の字が似ているので、雀歩だと今では、思われている?)。こうした、仲間を集めて小型将棋を作る、歴史の経緯は現在では、外国人でも知っているので、持駒ルールの有る日本将棋型将棋で、鯨の名前だけで、最近外人が作った、禽将棋に近い、鯨将棋というのもあります。漠然とした「鯨」と言う名前の駒が、鎌倉時代にも、たぶん有ったのですね。
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将棋にも (fagus06)
2013-09-07 08:07:23
いろんな歴史があるわけですね。
詳しい説明、ありがとうございました。
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