樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

茶玉

2009年06月29日 | 木と飲食
宇治茶の老舗・中村藤吉本店は以前もご紹介しましたが、今その軒先にお茶の木の枝葉を集めて作った茶玉がぶら下がっています。「新茶ができました」というお知らせです。
他のお茶屋さんでは見かけないので、おそらくこの店独自の風物詩なのでしょう。八十八夜の茶摘みの頃には、茶玉が5~6個ぶら下げられた奥の座敷も公開されます。

       

酒蔵では新酒ができると軒先に杉玉をぶら下げますが、多分それにあやかってのことだと思います。茶玉に近づいてよく見ると、中の方にはスギも使われていました。杉玉の作り方をベースにしているようです。

       
              (伏見の酒蔵でぶら下げられる杉玉)

宇治茶の老舗が大手のドリンクメーカーとタイアップしてペットボトルのお茶を出しています。福寿園とサントリーの「伊右衛門」、上林春松本店とコカ・コーラの「綾鷹」、辻利一本店とJTの「辻利」。そのほか抹茶入りスイーツでも、老舗と大手メーカーがタイアップしています。
タイアップと言っても、老舗の茶葉を使うわけではなく、名前を貸すだけのようですが…。

       

以前仕事で中村藤吉本店を取材した際、個人的な興味からそのことを尋ねたら、「タイアップのお話はいろいろ来ますが、当社は自分たちが作ったものを自分たちで販売したいと考えております」という答が返ってきました。
その姿勢といい、独自の茶玉といい、この老舗に対する好感度はますます高まりました。
コメント (6)
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