樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

信越の木

2009年06月15日 | 樹木
斑尾・妙高ツアーの目的はバードウォッチングですが、当然ツリーウォッチングも楽しんできました。鳥を探しながら、他の2人は草花や虫に興味があるので下ばかり、私は木の花や葉を観察するので上ばかり見て歩きます。
信越地方まで足を伸ばすと関西では見られない樹木に出会えます。その筆頭はシラカバ。大阪の「咲くやこの花館」の高山植物室にサンプルがありますが、自生のシラカバは中部以北の山に行かないとお目にかかれません。

       

シラカバを見ると「信州へ来たな~」と実感します。日本人はシラカバ林と同様ブナ林も好きですが、樹皮の白い木が林立している風景はやさしい印象だからでしょう。
シラカバに良く似た茶色い樹皮はダケカンバ。最近はシラカバとダケカンバの交配が進んでいるらしいので、雑種かも知れません。シラカバは立ち木としては人気が高いですが、材としてはあまり有用ではなく、割り箸やパルプに使われる程度。一方、ダケカンバはフローリング材などに使われる有用材です。

       
             (ダケカンバ。シラカバとの雑種かも)

夢見平の遊歩道にはハルニレの巨木がありました。案内板によると幹周5m、樹高25m。このあたりの王者として崇められているそうです。一帯はハルニレの純林になっていましたが、おそらくこの王者の子孫でしょう。
ハルニレは京都府立植物園にサンプルがありますが、関西周辺で自生を見たことはありません。信州や北海道に多く、アイヌ民族にとっては神聖で重要な木です。アキニレは宇治にも自生しています。

             
                 (ハルニレの巨木)

夢見平にはシナノキもたくさん茂っていました。図鑑によると本州全域に分布するようですが、私は自生を見たことがありません。この木も信州方面に多く、私は信じていませんが、「信濃」という地名の由来になったという説もあります。

       
                    (シナノキの葉)

花もいろいろ咲いていました。アズキナシ、ナナカマド、ズミ、ムシカリ(オオカメノキ)などは毎月通っている栃の森でも観察できますが、開花時期が1ヶ月ほどズレています。また、現地でウワミズザクラと思った花は、帰宅後に画像を確認したらシウリザクラでした。中部以北に分布するサクラで、私は初めて見ました。

       
        (ブラシのような花で葉の基部がハート型はシウリザクラ)
コメント (2)
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