樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

京都お箸の文化資料館

2008年08月04日 | 木と飲食
日本の多くの記念日が語呂合わせですが、きょう8月4日は箸の日だそうで、それにちなんだお話を。
京都市山科区に「京都お箸の文化資料館」という、割り箸問屋さんが個人的に開設されたミュージアムがあります。私は30年ほど前まで近くに住んでいましたが、その存在を知りませんでした。最近になってできたのかも知れません。
展示パネルによると、先代は奈良県の生まれで、割り箸産地・吉野で箸作りの技術を磨き、天皇家で使う箸を一手に引き受けて製作していたそうです。年間1,500膳の注文に応えるため、南アルプスまで出かけて原木を入手し、1膳1膳手作りで仕上げたとか。
そう言えば、天皇家のお箸は1回きりの使い捨て、という話を何かの本で読んだ記憶があります。

       
                 (天皇家ご使用のお箸)

「天皇家御使用のお箸」という展示品もあって、「材質は柳の木」と解説してあります。しかし、シダレヤナギは日本の自生種ではないので、原木を信州の山奥へ探しに行くというのは変です。一般的に「柳箸」と呼ばれるお箸は実はミズキ製らしいので、材質はミズキかも知れません。
あるいは、同じヤナギ科でもシダレヤナギではなく、ヤマナラシの仲間かも知れません。どちらも、展示品のような白い材です。

       
            (壁面に展示されているジャンボ割り箸)

このミュージアムの目玉は2m10cmもの巨大割り箸。展示パネルには「世界一ジャンボ割箸 1998年ギネスに挑戦」と書いてありました。材質は吉野杉。ほかにも2mくらいの巨大割り箸が何本か展示してあります。
また、中国の貴人が毒味に使った銀の箸、韓国の割り箸、箸箱や箸置きなど各種の実物のほか「お箸と諺」などの説明パネルが陳列してあります。
小さなミュージアムとは言え、自身の仕事に関してこれだけこだわりを持ち、さまざまな展示品や情報を収集するエネルギーには敬服します。
コメント (2)
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