樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

サッカーの樹

2006年06月14日 | 木とスポーツ
ワールドカップに因んで、サッカーの話題を。
日本には蹴鞠(けまり)という伝統のフットボールがあります。某家電メーカーのプラズマテレビのCMに、中世の装束の選手がサッカーをするシーンがありましたが、多分この蹴鞠を意識したのでしょう。

この蹴鞠のピッチを「鞠庭(まりにわ)」といいます。広さは、15m四方。正式な鞠庭には、四隅に松、桜、柳、楓を植えるそうです。
この樹を四季木(あるいは式木)と呼ぶのですが、おそらく、桜=春、柳=夏、楓=秋、松=冬を意味しているのでしょう。
さらに、ミスキックした鞠が散逸しないように、鞠庭の四方には桧の角材で作った垣を張りめぐらします。今のネットのようなものですね。

京都の下鴨神社でも蹴鞠が行われますが、正式な鞠庭ではないのか、四隅には青竹を立てています。それでも、松で鞠を清めてから蹴るそうです。

       

将軍家などの最高級の鞠庭は、四隅すべてを松にしたようです。昔は、松に神様が降りてくると考えていたからでしょう。能舞台のバックにも必ず老松の絵が描かれています。

鞠庭の樹ではないですが、近くにあるクロマツの大木を撮ってきました。民宿の敷地から宇治川まで幹が張り出し、道路を横切っています。この立派な松も、昔は神聖な樹と考えられていたのかも知れません。
私はサッカーファンではありませんが、このクロマツに「クロアチアとブラジルに勝ちますように」とお願いしてきました。日本代表には蹴鞠スピリットで頑張ってほしいですね。
コメント (2)
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