ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

二つの町が湖底に…我谷ダム

2020-10-20 07:11:22 | 石川(ダム/堰堤)
加賀市山中温泉我谷町(わがたにまち)にある大聖寺川(だいしょうじがわ)水系の我谷ダムに来ました。ここはダム上の道が国道364号なので、大聖寺川に並行して走るこの国道を来るとお目当てのダムに間違いなく到着できます。

【大聖寺川について】
元々この川は大聖寺町(1958年1月1日に廃止。他の8町村と合併して加賀市となる)を流れていたところから命名されたものです。ちなみに大聖寺とは白山五院のひとつで、かつて近くの錦城山(きんじょうざん:標高65m)にあったことから町の名前になったそうな。じゃあ、白山五院って何でしょうか。

【白山五院と白山信仰】
白山五院は白山信仰の流れを汲む五つの末寺(柏野寺、薬王院温泉寺、極楽寺、小野坂寺、大聖寺)のこと。白山信仰の歴史は古く、奈良時代に修験者の泰澄(たいちょう:682-767)が717年に白山の御前峰(ごぜんがみね)に登り、翌年同地に白山妙理大権現を奉祀した社を建て開山したのが最初と言われています。どんな信仰かはまた別の機会に書くかもしれないので省略します。

話が逸れました。ダムに戻りましょう。まずは左岸の下流側から見たダムをご覧ください。大聖寺川に沿って国道364号を来ると対岸(右岸)に辿り着きます。



ダム本体に嵌め込まれた「我谷ダム」のプレート。



これがダム上を走る国道364号です。



左岸、貯水側から見たダムの様子。



ダム上、中央付近から見た貯水側の景色です。良い眺めでしょ?



下流側はこんな感じ。写真は色褪せて見えますが、実際はもっと綺麗。



で、管理事務所はどこかな? と思いきや左岸の少し貯水側に行ったところにありました。国道沿いには「石川県大聖寺川ダム統合管理事務所」の看板。



当該の建物はこれです。





近くにはダム建設にあたり我谷町と枯渕町(かれぶちまち)の家々が湖底に沈むことになり、それを示す「水没記念碑」が。その裏側には住んでいた人々の名前が刻まれています。





う〜ん、でも、記念碑ってのはイメージとして完成したとか到達したといったプラス的な意味があるように思うのですが、どうでしょうか。その解釈が間違っていなければ水没記念碑というのはちょっと違和感があります。水没を祝っているようなニュアンスも感じられるからです。例えば「水没の碑」とか「水没に寄せて」みたいなタイトルならしっくりくるんですが…。
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