ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

働く役者クン

2005-12-08 05:48:18 | 脳みその日常
ここ数年利用しているスーパーは24時間営業。ワシが行くのはもちろん深夜だ。この時間帯だと客は少ないし、妙な音楽も流れていないので良い。この店で働くI君とはもう顔見知りの関係。なぜか知らないがウマが合い、行くたびに世間話をするようになった。

ところが、ウマの合う理由が最近判明。彼は役者を目指しているというのだ。なるほどそういうことだったのか。ジャンルは違うが、クリエイティブなことに携わる人間は「ニオイ」でわかる。だから最初からすんなりと会話ができたのかもしれない。

聞けば、カネがなくて食うものもロクに食っていないという。うんうん、売れていない役者というのは、いつの時代でもそうなんだよ。みんなアルバイトをしながら夢の実現を目指して頑張っているのだ。芝居をすることが好きだから貧乏生活に耐えることができる。そうでなかったら夜中の仕事なんてするわけがない。

I君も含め、深夜に働く人にはそれぞれの事情がある。たとえば昼間の仕事ではローンの支払いができないから、会社に内緒でコッソリと働いているとか、他人には言えない理由で夜中に働かざるを得ないとか…。

概して深夜の職場というのは信じられないほど多種多様な人間が集まる。言えない過去を背負った人間のルツボとでも言おうか。強烈な人生を送ってきた人って意外なほど多いんだよね。学生時代にワシは深夜のバイト三昧だったが、この経験は今から思えば世の中を学ぶことにつながった。

I君は言う。

「深夜に来られるお客さんから学ぶことは多いですよ」

そうだろうな。普通の人なら寝ている時間帯に起きて何かをしているんだから、常識で考えてもフツーじゃない人だもんな。たぶんI君はレジ打ちなどをしながら「役者の目」で曲者だらけの客を観察しているに違いない。それによって演技の幅が広がれば良いとは思う。

でもね、I君、どうしてもやらなければならない女子高校生役だからといって、セーラー服を着てウットリしてちゃいかんよ(笑)
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