湘南オンラインフレネ日誌

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シュタイナー人形劇と乙女文楽

2004-09-29 04:50:21 | 不登校
 湘南子どもフォーラム・文化祭に、シュタイナー人形劇「トムポ」が参加となった。画像は「トムポ」の予定演目「ならなしとり」の人形だ。

 ごらんの通りシュタイナー人形には目鼻がなく、つくりも極めてシンプルだ。作品を「語り」「演じ」そして「みる」それぞれのひとの想像力を分かち合うことによって成り立つ劇だ。舞台が勝手に流れていくのではないところが素晴らしいところだが、難しい。

 たとえば、観客の自由に出入りする環境の中で、この劇が成り立つだろうか。乙女文楽のように、情熱的に「情」の世界をぐいぐいドライブしていく劇の直後に、このシュタイナー人形劇が成り立つだろうか。場をどうコーディネイトするかが問われている。

 シュタイナーのしっとりとした静の世界を味わうとき、僕はジェイン・ヨーレンさんの「Owl Moon 月夜のみみずく」という絵本を連想する。日本では工藤直子さんの素晴らしい翻訳で、光村版小学校国語教科書にも登場したことがあったが、今も残っているのだろうか。雪の積もった里山にお父さんとふたり、みみずくを探しに森の中に入っていく。無駄な言葉は、みみずくを警戒させるだけだ。沈黙の時間が流れるが、親子は語る必要が無い。みみずくを見つけて父と娘は満足して帰っていくのだが、「みみずくをさがすのに、ことばはいらない」という部分。心が通じ合っている者のみの味わうことができる共感の深みだ。

 演技の力は、ひょいと観客の気持ちを掴んでしまう。しかし信頼しあった既知の関係を前提にしないと言っても、極端な話、雑踏の中で語りは成り立つだろうか。僕は今でも「Owl Moon」に出会うと毛穴が逆立つような美を感じるのだが、シュタイナーは、一脈通じる詩的な世界を抱えている。だから、「ならなしとり」の前座(イントロ)を設けられないかと、また「画策」している。短編の朗読か、「月夜のみみずく」(ビデオはあるがダメ、映像は使える)の朗読を味わい深く語れる方がいらしたら「前座」は失礼だが、やってもらえないかと適任者を探している。

  「Owl Moom 月夜のみみずく」ジェイン=ヨーレン詩
   くどうなおこ訳
   ジョン=ショーエンヘール絵
   (ISBN 4033283005)偕成社'89

 シュタイナー人形劇と乙女文楽、静と動、面白い組み合わせになってきたと内実、野次馬の虫が疼きはじめている。
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