湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

自学教材ヒント集に《切手から見る世界・下/科学と文化》を載せました

2005-02-10 23:04:43 | フリースクール
--- 今回は以下の教材の解説です。

●自学教材ヒント集《切手から見る世界・下/科学と文化》



 今回も資料掲示のみである。僕は手元の操作を拡大表示する接写カメラアイを使って印刷物をプロジェクター表示していた。お札はさすがに芸が細かいが、切手も気づかなかったタッチがあったり、鳥が実は背後をにらんでいたりと奇妙なところで笑いが起こった。

 切手をサイトでのぞく場合は、ここまでの解像力は期待できないが、その切手の紙質やスタンプの文字など付随情報がよくみると読み取れる。そこを推理するのは、コレクタまがいの発想だが、例えば書誌学などは文字のずれから活字の損傷まで研究の対象なのだから、野暮な話ではない。

 しかし世界は多様な生物種で埋め尽くされているものだ。写実的な動植物切手を並べてみるとため息がでる。ありがたいことに「切手に見る世界の昆虫(昆虫と脊椎動物)」のサイトでは、種を系統樹に載せて整理してくれた。系統樹の問題点が分類学では問題になっているが、これはこれで生命の進化の流れを統括して見せてくれるのでありがたい。

 昆虫などは食草などと共に描かれているものもあるので、成虫の形状だけではなく生態の片鱗をつかむことが出来る。図鑑のように採取した生物の同定をするのは目的が違う。種の網の目をシンボル的に固定してやることと、展覧会の絵の比較のように差異をつかむことに利用してやる。つまり机上の学問を展開するのだ。これがフィールドで活きる。

 もうひとつ例外的には「シーボルト図譜」のように、絵を書誌学的に読み込んでいく。西洋と当時の日本の種の話などを書籍でつかんで、絵で再度探ってみるというようなものもある。

 しかし、まずは展覧会をやってみることだ。そして同じ種の切手なら、自分の気に入った絵を選んでみる。それがなぜ気に入ったのかを問う。すると種「らしさ」なる視覚的なリテラシーが自分の中にあることに気づく。それが的を射ているものであるかどうかは、次の吟味にのるのだが、そこを言語化していくことは、特徴を把握していく道なのである。

 蛇足だが「原子力・天文・医学」という舞台裏が見えてきた夢の残骸がサイトに登場していることは面白い。これはこれで「技術の夢の虚実」の議論に載せる道もある。

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自学教材ヒント集に《切手から見る世界・中/世界史2+日本史》を載せました

2005-02-10 21:18:59 | フリースクール
--- 今回は以下の教材の解説です。

●自学教材ヒント集《切手から見る世界・中/世界史2+日本史》


 切手を使って歴史を覘くという方法は、あちこちのHPで試みられているが、その成果をまとめたサイトは圧倒的に少ない。そんなことをしなくても写真と絵の画像を使ったHPは十分能弁だからである。HPをめぐりながら、実はこの切手を使う手法は教授側の教材簡易入手法だったのではないかとか、切手を使って歴史を語りうるが、逆は困難なのではないか(前述)という疑問がわいてきた。

 しかし、切手は未知の情報のこもった価値ある断片という趣味性を帯びたポータルな資料であり、知を開くカギなのである。こういう思い自身がもはや過去の遺物なのかもしれないが、かのポケモンカードで再現をみた熱気の片鱗の資格はあると思う。勿論デザイン畑では健在だ。

 切手の場合、悲惨な出来事や関係者のプライバシーに触れる内容はかわされている。また発行者が民間ではなく国であることから、国の威信に関わる内容には触れていない。そういう内容の狭さと同時に、間接的な歴史遺産(建造物など)の間接的な内容の史料が多いことも扱いを難しくしている。しかし一方では民俗的な歴史の視角などには優れている。

 奇妙な例だが「おひつ」と聞かれて、某大学社会学部の学生たちはひとりもわからなかったという話があり、ではその「おひつ」を教官が持って来ようとしたら、民俗資料館から借りなければ入手できなかったという話をきいたことがある。半世紀前には日用品であったものが、すでに入手できなくなっている。「おひつ」の切手があるわけではないが、風俗史料は案外集めにくい。だから画像は貴重なのだ。(『おひつ』…飯びつ・おはち。炊いた飯を保温保存していた木製の入れ物。保温機能のある電気釜の出現で衰退した。)

 そんな切手への思い入れをこめて、サイトを眺めてみると光ったサイトがいくつかあった。残念なことに自然科学系サイトなのだが、歴史サイトもある。「Japanese Stampsand History」(日本の古代史)もそのひとつだ。もうひとつは国連関連なのだが歴史史料という切り口が適当とは思えなかった。

 書籍はビジュアルな本がいくつもでている。しかし新しい本が少ない。今回紹介した本は、いまだ新刊本市場に流通している本だ。ただ「ナチスの謀略」は在庫のみではないかと思う。

 前述したように授業実践経験は薄い。どなたかのお話をいただけたらと願う。

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湘南子どもフォーラム懇談会(世話人会)ML作り

2005-02-10 03:36:53 | 引きこもり
 懇談会は月例会形式で議論と提言を積み上げていくが、懇談会のメンバーは、さまざまな引きこもり・不登校関連団体と心身障がい関連団体の中心になっている人たちの交流会だ。具体的なニーズをぶつけ合って、「地域の社会参画拠点」を生み出そうというものだ。

 ところが団体世話人は忙しい。なかなかスケジュールが合わせられないという問題がある。そこを解消していくものとして「湘南子どもフォーラム懇談会メーリングリスト」を始めている。参加資格は関連団体世話人であること。個人の積極的な方を排除はしないが、ここではかなりプライベートな調整も行う予定なので、個人の方はまもなくできる「湘南子どもフォーラム掲示板」の方で議論していただけたらと思う。

 4月23日の交流日帰りオートキャンプの顔見せまでに、参加会員を集めていくつもりだ。MLは、まだ発言数は少ないが徐々に広がってくる予定。

 リロードの方が入ってくれたので、具体的な引きこもりの活動の話も突っ込んでいけるのではないかと期待している。

 参加希望の方は、

 氏名
 団体名
 電話番号

を明記の上、tobita@mbm.nifty.com にメールしてください。

電話で話し合った上で登録します。

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自学教材ヒント集に《切手から見る世界・上/世界史》を載せました

2005-02-10 03:20:08 | フリースクール
--- 今回は以下の教材の解説です。

">●自学教材ヒント集《切手から見る世界・上/世界史》



 さて今回は「切手」を使った学習を考えてみた。僕は、理科教育の学習論をやってきた関係で、題材が理科に偏っている。「切手」も動植物や自然景観、技術・人物というような画像を読み解くことでテーマに接近することができた。しかし、「社会と歴史」ということになると、画像のエピソードに通じていないとピンとこない。その画像の有効なコードを抽象しなければ検索にかけられないから、既知の解説に切手を使うのはいいが、未知の知識への探索には経験がいる。

 そのときヒントを提供してくれるのが切手愛好者のサイト群だ。彼らが発行データと照合してくれた切手のデータを流用していくのだ。しかし一筋縄ではいかない。学校のような時間枠のある場面では使えない。

 しかし切手を歴史教材に使うことにこだわるのは、歴史教材画像がなかなか入手できないという事情もある。

 もうひとつ特筆すべき特徴は、切手は収集の興味を伴うものなのだということだ。前述の「子どもが持ち込んだ外国切手」のときも、小6の子は夢中になった。切手の画像に吸い寄せられるように、語り、分類を行ったのだ。あたかも知の断片が掌にまとまったかのような充足感があったように思える。僕は、この魅力を学習に結びたいと思うようになった。

 切手自身は話題の契機にすぎないとしても、知はその糸口から説きほぐすことが出来るだろう。予備知識を必要とするという意味で、歴史のエピソードを知るものが、切手を契機ににして認識を深めたり、断片が接合されたりというような事が起きていく。つまり「社会と歴史」教材として切手を使う場面は中高生以上の年齢層を考えていくべきだろう。

 僕は切手のマニアックな関心に流れても構わないと思っている。そこには画像の歴史的な意味だけでなく、切手の発行をめぐるエピソードが学習されていくからだ。植民地の切手や戦争のために使わずに終わった切手など、歴史の周辺から、歴史の大河に至ることは可能だからだ。

 だから学校教材屋は、個々のエピソード集めを熱心にやった。しかし自学自習の中にそれを置くとき、エピソード集の様なサイトが少ない現状は寒々しくもある。意識して拾い上げて提供する必要があるのかもしれない。

 なお、話の流れにあっていない日本工業技術史や、メールマガジンの混入はお許しを。メルマガ「世界史授業」は良質のものであるので、特に高校生に勧めたい。

 次回は「日本史」、そして「科学」の話へとシリーズを組んでいる。

 切手の博物館は、ぶらり出かけても地味で面白くない。調べるテーマを持ち込むといい。
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