湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

SSW主催石川憲彦氏の講演会と、水嶋一江さんのstringraphy演奏会に行ってきました

2005-02-06 03:38:47 | 引きこもり
とりあえず、ご報告を。

 我が家の修築工事が午前中に完了したのでほぼ徹夜。池袋の東京芸術劇場大会議室はほぼ満席。眠るとまずいなと思いつつ石川憲彦さんの講演に耳を傾ける。案の定、出だしがつまらない。質疑応答になって、やっとまともな話になった。ここから始まるというのに、時間切れ。話す対象がしっかり定まっていないからだ。大筋は賛成、心の議論は切り込み不足。レッテル貼って「当事者の子どもの口封じをするな」という話などは大事な話だが、前から大きな変化なし。基本の基。

 僕の今日の行動の主眼は、この後、夜からの水嶋一江さんたちのstringraphy(糸電話型楽器)の演奏会の方にあった。

 この楽器は絹糸と紙コップで出来ている。詳細は自学教材ヒント集の初期の頃のコラムを見て欲しい。一番長い糸で15mという。張り巡らした糸の長さの違いで音階を作り、松脂を擦り込んだ絹糸をゴム手袋で擦って音を出す。空間、所狭しと糸が貼られており、チームで演奏する。今回は4人。(下記参照)

●スタジオ・イブ http://www.stringraphy.com

大日本図書中学理科教科書に音と振動の話の例として紹介されており、理科と音楽の境界にある楽器だ。

--- 僕は水嶋さんの志向の逆をいって、一弦胡弓を作った。Stringraphyを知る前だったからだ。オシログラフで波形あわせを行い、三味線に近づける試みを中2対象でやったことがある。「音と楽器」の授業だが、音色収録に関心が移り、胡弓の演奏は二の次に流れたのが残念だった。

 本家水嶋さんたちの演奏を聴くのはこれで3回目。今回の鑑賞の狙いは大人向けの技能を駆使した演奏を聴くこと、子どもたちへ安価で表現の可能性の大きな楽器が降りてきた事とその可能性のアイデア確認、湘南子どもフォーラムの展望するアートスペースへの模倣移植上の問題点チェックなどをしてきたつもり。

 問題点もある。空間確保もそうだが演奏上の問題がある。一人の演奏だといまひとつ「厚みと彩り」が足らないので「合奏」となるが、ここが問題で「合奏」は、特例の曲を除いて、初心者には難しいことなのだ。

 前の演奏会では、水平に張った糸のほかに天井から床に向けて斜めに張った糸が何本かあり、背の小さな子も、その糸にすがるようにして、「かえるの歌」を「はじく」ことで演奏に参加できた。これは素晴らしいこと。ここを広げられないかと思う。

 ハプニングで緩んでしまった弦を調弦するところを見てしまったが、水嶋さんはハンディな周波数計を使っていた。なるほど、これがあれば手っ取り早い。最近調弦によく使うもので、楽器屋に市販されており、音叉や笛の共鳴や比較よりも、技術がいらないで音を合わせることが出来る。

 糸に対し真横から照明すると糸が消える。ディレー・スプリング効果を利用したり、多分岐糸電話弦を使えば振動が多重にかかって、不思議な響きをつくることができる。選曲・演出も考え抜かれているが、その分表現が自然主義的な音声模倣が増えてしまう。サービス精神が曲の可能性にブレーキをかけている。この楽器の演奏はCD化できないだろう。映像を伴うものなら可能だが、基本的に状況的な楽器であって、状況を切り離すと弱い。他の楽器とのコラボレーションを考えるなら可能だが、相手の楽器を選ぶだろう。

 翻訳すると、子どもと楽器を作って楽しむというとき、合奏が癌になってくる。演奏技術が未熟でもフレットで音階を作るのではないために、それなりに音が出るが、琴のような多弦楽器の音色の単調さを超える演奏法が必要になる。(松脂とゴム手袋は妥当な線の試みだ。音が安定しないので落ち着いた先がゴム手袋なのだろうが。)

 しかしアートスペース開店のときには、是非演じてみたい楽器だ。楽しく演奏できるというだけではなく、工夫できるということが、実は大きなことなのだ。何もかも合奏すればいいというものではない。

 今日は演奏終了後、狛江から登戸・藤沢を経由して帰宅したのだが、こじんまりしたスペースでもいい、自立した表現活動のあるスペースを作りたい。箱物企画ではなく、スタッフ主導で等身大からの背伸び企画をたて、広報していく活動、スペースの企画屋を含んだ運営仕事に引きこもり・ニート層、軽度障がい層の青年たちを呼び込みたい。

 TOTOドロノワ倶楽部に陶芸生産部門を置く、遠藤で竹炭を焼く、パンやケーキを作る。それをスペースや喫茶に展示即売、オンラインで販売、喫茶・店舗で接客サービス、重度身体障がいの方々のイベント送迎、それらを自助努力で相互補完していける社会参画拠点作り。

 そんな流れの中に、脳裏の紙コップ楽器が宙を舞っていたのだ。

 2/15の19時半からの第二回実行委には、ちょっと面白いものを持っていこうと思う。様々な作品例、CM新聞もどき(笑)、構想資料、4/23オートキャンプ場資料、3/20提案・スペース原案など。

 今日はここまで、ばてました。自学教材ヒント集なし。

(補)朝起きて文面チェックしたところ、「石川憲彦氏」が「石井憲彦氏」になっているなど、無茶苦茶。失礼しました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする