--- 今回も以下の教材ヒント集の解説です。
●SOF-HP/自学教材ヒント集《写真と写真家の眼・3 コマーシャルフォト(続)》
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=tobipub2
コマーシャルフォトはアイデアの結晶のようなものだ。しかしそのアイデアを具体的な映像に表現することは、実戦(実践にあらず)経験がいる。
空中に斜めになって浮かんでいるガラス瓶とか、歪んだCDから音符が湧き出している画像がある。後者はコンピュータ・グラフィックだとわかるが、前者がよくわからない。作られた年代が古いのだ。ところがこれは専門誌を眺めていて、なるほどなと思った。何段にもノングレア・ガラス(無反射ガラス)の板が水平に浮かせて配置してあり、そのそれぞれの段に瓶が置かれていた。下からライトアップして上から撮れば、瓶は空中に浮く。
原始的だなと思いつつ、この工夫がコンピュータ・グラフィックによって消えていくのだろうなと、少々残念にも思えた。ところがどうも現場では、この技術は消えそうにない。デジカメが出来て、仕上がりがその場でチェックできるようになってから、余計、この小回りがきく手作業が意味をもってきているのだと聞いた。
スタジオの商品撮影だけがコマーシャルフォトではないが、こういう実践知が詰まっているのもコマーシャルフォトだ。
トリミングというが、原版の画像の必要な部分を取り出す方法がある。見る人の印象を強める働きがあるが、筋肉隆々とした黒人の片足がグランドを蹴っている。あ、国際陸上大会なのだなとそれだけでわかってしまう。舞妓さんの髪飾りが通りのスナップの下段にちらりと見える。ああ、京都かという具合。見せないことで見せることより能弁に語るというのは面白いことではないか。
こういう見る人との丁々発止のやりとりをコマーシャルフォトは孕んでいる。
テーマを伝えることにコマーシャルフォトはあるのだから、まず「テーマをたて」、「使えそうなフォトを真似」してみるといい。うまく真似できなくて当然、相手はプロなのだから。大事なことは、「やってみないとわからない」ということだ。「習作」と題すれば、プロの真似の写真でもオリジナリティが含まれていれば写真展にも展示できる。
見栄えがしてきたら、銀行とか喫茶店とかに置かせてもらうといい。他者の目に触れるというのが意味を持っている。ホームページももちろんいいのだが、玉石混交、あまりにも多くのページが競合していて、印象が薄らいでしまうのだ。街の意外なところにひょいとその画像が置かれていることは、案外価値があるものだ。見るひとが見ているということなのだ。
写真を引き伸ばすと金がかかる。プリンタ出力の方がいい場合もある。ケースバイケースなので、細かいことは飛田に相談を。白黒印画紙なら半切まで使っていたから多少の技術相談に乗れる。
プロへの道は、別の機会に話そう。
●SOF-HP/自学教材ヒント集《写真と写真家の眼・3 コマーシャルフォト(続)》
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=tobipub2
コマーシャルフォトはアイデアの結晶のようなものだ。しかしそのアイデアを具体的な映像に表現することは、実戦(実践にあらず)経験がいる。
空中に斜めになって浮かんでいるガラス瓶とか、歪んだCDから音符が湧き出している画像がある。後者はコンピュータ・グラフィックだとわかるが、前者がよくわからない。作られた年代が古いのだ。ところがこれは専門誌を眺めていて、なるほどなと思った。何段にもノングレア・ガラス(無反射ガラス)の板が水平に浮かせて配置してあり、そのそれぞれの段に瓶が置かれていた。下からライトアップして上から撮れば、瓶は空中に浮く。
原始的だなと思いつつ、この工夫がコンピュータ・グラフィックによって消えていくのだろうなと、少々残念にも思えた。ところがどうも現場では、この技術は消えそうにない。デジカメが出来て、仕上がりがその場でチェックできるようになってから、余計、この小回りがきく手作業が意味をもってきているのだと聞いた。
スタジオの商品撮影だけがコマーシャルフォトではないが、こういう実践知が詰まっているのもコマーシャルフォトだ。
トリミングというが、原版の画像の必要な部分を取り出す方法がある。見る人の印象を強める働きがあるが、筋肉隆々とした黒人の片足がグランドを蹴っている。あ、国際陸上大会なのだなとそれだけでわかってしまう。舞妓さんの髪飾りが通りのスナップの下段にちらりと見える。ああ、京都かという具合。見せないことで見せることより能弁に語るというのは面白いことではないか。
こういう見る人との丁々発止のやりとりをコマーシャルフォトは孕んでいる。
テーマを伝えることにコマーシャルフォトはあるのだから、まず「テーマをたて」、「使えそうなフォトを真似」してみるといい。うまく真似できなくて当然、相手はプロなのだから。大事なことは、「やってみないとわからない」ということだ。「習作」と題すれば、プロの真似の写真でもオリジナリティが含まれていれば写真展にも展示できる。
見栄えがしてきたら、銀行とか喫茶店とかに置かせてもらうといい。他者の目に触れるというのが意味を持っている。ホームページももちろんいいのだが、玉石混交、あまりにも多くのページが競合していて、印象が薄らいでしまうのだ。街の意外なところにひょいとその画像が置かれていることは、案外価値があるものだ。見るひとが見ているということなのだ。
写真を引き伸ばすと金がかかる。プリンタ出力の方がいい場合もある。ケースバイケースなので、細かいことは飛田に相談を。白黒印画紙なら半切まで使っていたから多少の技術相談に乗れる。
プロへの道は、別の機会に話そう。