所属する「岩国エッセイサロン」は昨年末に開設10周年という記念すべき節目だった。その祝賀会と忘年会を兼ねた宴を近くのホテルで開き、盛り上がった。10年ひと昔というが、途中入会で9年4カ月の在籍ながら、あっという間の時間感覚でしかない。それは定年後、エッセイ同好会に費やした時間が楽しかった、子供じみているが正直な思いである。
サロン活動のまとめは同人誌「花水木」。専門家の「発行は3号くらいまで」という予測を打ち破り10号に達し、今日の例会で配布された。同人誌には昨年の1年間、会員が新聞に投稿、選ばれて掲載されたエッセイの全作品が載っている。10号には95編掲載で134頁、B6版の小型本だが重みはずっしりと感じる。
花水木の誌名は創刊号から変わらず。花水木はアメリカ原産で、東京市長がワシントンに桜を贈った返礼として1915年、ちょうど100年前に日本で植栽された。100年と10年の差はあるが、花水木の花言葉の一つ永続性を合わせ思えば、我らが同人誌の長く続くことを示唆している。
同人の申し合わせは「エッセイの創作や、エッセイにかかる勉強をすることを通して自己啓発を図ると共に、創作したエッセイを外部に発信し評価を仰ぎ、ひとりひとりがとり輝いて生きる」としている。この達成には日々の学習と努力を終わることなく続けることが必須となる。まずは同人18人の掲載95編を読み返すことから始めよう。