パラパラと雨もちらついたが予報ほど冷え込まなかった夜明け、寒気の流入で雲の多い一日だった。7時過ぎると近くの小学校の児童らが、3学期始業式のため登校しはじめる。不安定な天気を見越してか大方の児童が傘を持っている。寒い季節、濡れると風邪に見舞われるかもしれない、そういえばマスクを掛けた子どもも多かった。風邪でなく予防のためならいいのだが。そんな児童らを花が見送る。
最後の始業式、そんなタイトルで報道されるのは、この3学期が終われば閉校になる小学校。児童らの寂しさは計り知れないが、地域皆さんの気持ちも同じだろう。特に山間地域では小学校は地域コミュニティーの中心的な場所、と市内北部地区の世話人から聞いている。寂しさを押さえて「最後まで頑張る」という児童の決意表明に拍手を贈るしかない。
中学時代の担任だった教師が、市内中心部の小学校長している頃の話だから何十年も前の話。児童数の増加で、音楽や図工、理科といった特別教室を普通教室に変え、子どもらの机を並べているというマンモス校の悩みを聞いた。今は3階建校舎の3階は利用無しという。多すぎても困り、その逆ではなお困る。少子化対策の目途はいつ立つのだろう。
一クラス55人余りの児童、それが1学年で6クラスあった小学校を卒業した。兄弟姉妹が5人6人も珍しくない時代の話。始業式や終業式の様子は記憶していないが、全校生が集まる講堂は満杯。自分は背が低いので列の最前列で、壇上の校長の顔を見上げて話しを聞いた。最後の始業式の映像を見ながらまとまりの無い昔を偲んでいる。