
次々と発生する線状降水帯は九州各地に千㍉を越す雨量をもたらしている。このところ毎年の様に続く九州での地震、台風、豪雨などの自然災害による被害は、どこまで予防策を講ずれば防げるのだろう。特に人命に関わる方策は最優先で手当てして欲しい。
注意喚起では「土砂災害から身を守る」ため早めの避難、それが出来ない時は山の斜面から少しでも距離のある2階などに身を寄せるよう呼び掛けている。これまで台風や大雨で山崩れが発生、斜面を引っ掻いたような土色の跡を何度もみた。最近は映像でその恐ろしさを身近に感じており、早めの避難が大事なことを知る。
子どものころ、山が崩れることを周囲の大人は「つえぬけ」と呼んでいた。「あそこの裏山がつえぬけ」そんな話で見に行ったこともある。「つえぬけ」は方言かと思ったら消防科学センターの資料に「山が落ちる、山やがけなどが崩れること」と説明があった。つえこむ(遺込)とは土などが崩れ込む崩壊するとある。
つえぬけを目撃した父は、その勢いに身震いしたと話した。隣家は土砂が家の中に突っ込みつぶれた。わが家は風呂とトイレが持ち去られ、池が埋まり鯉が住人の身代わりになったが、流されて満水になった防空壕で何匹か助かった。山津波は場所を選ばず、土石流は河川を下流へと進む。明日まで続く雨予報、人命だけは奪うなと願っている。