地球上の生き物すべたが水を抜きには生存できない。その意味で日本の梅雨は有難い自然の恵みである。最近の梅雨は前線が近づくと、しとしととした梅雨のイメージを変えてはいるが貴重な水の基に変わりはない。そんな雨のことを思っていたら、日本にはたくさんの雨を表す言葉、雨の呼び名が一節には400語以上あると載っている。
この時期の梅雨について抜き書きしてみる。走り梅雨・梅雨入り前の雨が続く、暴れ梅雨・梅雨終盤に見られる激しい雨、送り梅雨・雷を伴うももうすぐ梅雨明けのサイン、返り梅雨(戻り雨)・梅雨明けに再び降り続く続く雨、空梅雨・雨が少ない梅雨で旱(ひでり)梅雨や枯れ梅雨とも呼ぶ。梅雨に降る雨の細かい違いを感じさせる。
私が洗車すると数日以内にはよく雨に見舞われ「折角洗ったのに」と愚痴ったこともある。そんなことで、雨の少ない時期、節水を呼び掛けられると、秘かに降雨を願って必要ない洗車を試みたことが何度かある。慈雨を呼ぶまでには至らなかったが、自分では洗車した後の雨なので勝手に「洗車雨」と名付けていた。数日前にワックス掛けしたら今日は雨に降られた。
ところが驚いたことに夏の雨の呼び名として「洗車雨(せんしゃう)」がある。その説明は「七夕の前日、陰暦の7月6日に降る雨。彦星が織姫に会うときに使う牛車を洗う水になぞらえています」とある。そして、洗車したら雨が降った、というもではありません、と追記してある。「酒涙雨・催涙雨(さいるいう)」は七夕に降る雨のことで、雨で会えなくなった織姫と彦星が流す涙と伝えられている。雨の呼び名、これからも参考にしたい。