
山口県の天然記念物に指定されていた吉香公園のエンジュの木、指定が解除され桜の咲く前に伐採された。残念で仕方ない気持ちは今も変わりない。直近の市議会でエンジュの木について伐採に至った樹木医の診断の結果が明らかになった。機械診断で地表から50㌢幹部分で空洞化率78%に達している。空洞と根株の腐朽により樹勢が衰退、数年以内に枯れ死に至る。
よって強風時に根返りや倒木の危険性が高い。来園者や吉香神社への安全確保を図るために伐採はやむを得ないと判断したとある。天然記念物の旧跡としての説明板の設置、伐採した木材の利活用について検討しているという。腐食の原因とされるベッコウダケについてはひと言の説明もない。対応が手遅れだった、そんな推測をしたくなる。
地上3㍍のところから伐採された。そばを通るたび大きな空間に違和感を感じているが、その空間を埋めることは叶わないだろうが、樹勢は新しい芽を育んでいる。切り口近くに、やわらかなそうな緑の新葉をつけた小枝が何本も伸びている。数年以内に枯れ死の診断が下されている樹勢、この小枝をどこまで育てられるだろうか。
エンジュの木、周りの大樹にも惜しまれながら伐採された。その大樹の応援もあり春になり新しい小枝が伸び始めたのだろう。その小枝を見上げて何かほっとした。これから、そばを通るときは見上げて育ち具合を見守ろう。