朝の病院の待合室。診察待ちの人は本や新聞を読む人もいるが、椅子の背もたれに身体を預けテレビを見る人が多い。番組は時間帯的にワイドショー、アメフトが終わり財務省の文書ねつ造に変わった。先ず映し出されたのが、財務省の調査報告書についての財務大臣の、謝ると言っても頭を下げないあの横柄な記者会見の様子から始まった。繰り返し放送されている「なぜ文書ねつ造が行われたか」の問いに「それが分れば苦労せんのですよ」と答えた会見の様子。
この問いは、真摯な国民はだれもが知りたいことなのに、わからないまま報告するとは内部調査能力の無さをしめしたもので、何のために時間と公金を掛けたのか分からない。何度目かのそんなんことを思っていると、前の椅子の小学生の子どもを持つ年頃の女性が知人らしい隣の人に恐ろしい話を披露した。それは「ウソをつく人は出世する」。
「ウソツキは泥棒の始まり」という諺、子どものころには「ウソつくのはよくない、悪いこと」の代わりに聞かされた。子ども同士でもウソに対しは同じ言葉で注意しあった。国会の的外れの答弁や陳述、質問もしていなのに己の主張を長々と繰り返す頓珍漢な応答を見ていると、前の席の「ウソをつく人は」の話し、あり得るかとも思う。子どもさんには絶対教えないでと願った。
事実に反することを、あたかも事実であるかのように言い「巧みなウソで責任逃れ」を図る。そうしたウソをいくつも並べるとと、つじつま合わせのためにさらにウソを重ねる。そのためには公文書改ざんまで行う。ウソは「口と虚」から成る。「虚」には「うわべばかりで内容が全くないこと、自分に有利に事を展開する」などの意味がある。それを口にするのだから、やはりウソはいけない。