日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

家内への土産

2007年11月24日 | 生活・ニュース


錦帯橋からおよそ1時間、人口1,300人あまりの町の「ふるさとフェスタ」へ参加するため会のメンバー10数名で出かけた。パソコンを使った「ぬり絵」や「しおり」作成を体験してもらうコーナーを公民館の1室に開いた。

準備していた10種類のしおりの図柄を会場入口に掲示し来場者を待った。
お蔭様で園児から高齢の方までたくさんの方にパソコンを体験していただいた。特に高齢の方は初めてパソコンに接する方も多かった。名前入りのしをりをお持ち帰りいただいた。そんな高齢者の方のなかで1人印象に残った男性があった。

その方はパソコンの前に着くなり「犬のしおりをお願いします」、大方の人がパソコンの前で考えられるがその方は掲示を見て決められたのだろう図柄は決まっていた。続けて「これに触ったことがないのでお願いします」とパソコンを指された。

名前を挿入する手順で指定された名前は女性の名前だった。深い意味はなく「お孫さんですか」と問うと「家内です」と言われた。続けて話された内容に感銘を受けた。

「良くしてくれる家内に何か買ってやりたいと思ってもこんな田舎に住み年金生活、車の運転が出来ないので思うばかりで買ってやれない。犬と本が好きな家内に犬のしおりを作ってもらおうと思い寄りました」とユックリと話された。

奥様名の2枚のしおりが完成したので「お父さんのも作りましょう」と誘ったが「これで十分です」と過分なお礼の言葉を残して帰られた。わずか2、3分の会話でしたが、進む中山間地域の問題点が凝縮されていた。

この方は何も言わないで奥様の読みかけの本のそばへそっと「土産のしおり」を置いておかれたのでは、と思ってみた。

(写真:フェスタのあった町の中心部付近、市のHPより)
コメント (10)
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