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どこから来たのか体長10センチあまりの「かまきり」が鉢植えの紫陽花の小さな幹に留まっていた。鎌状の大きな前足で虫を捕らえることから鎌切と呼ばれるらしいが、その様子を目にしたことはない。
しばらく見ていたが動かない。そういえばかまきりの動きはユックリだったことを思い出した。でも三角形の頭と大きな眼は絶え間なく動かしている。
それにしても周囲の色とのまぎらわしさは見事ないんぺい(隠蔽)色、ただ驚くばかりだ。これでは近寄ってきた虫はひとたまりもなくあの鎌に捕まるだろう。逆に小鳥などから身を守るすばらしい保護色となる。
枯れ木色のかまきりも撮っているがこれも隠蔽と保護の両方を兼ねているのだろう。
不器用者には折々の色を使い分ける術は真似できない。せめて色付けされている今の色をいい色に置き換える努力だけは続けなければ、思いながらかまきりの背中をつついた。よっさよっさと登り始めた。